2015 Fiscal Year Annual Research Report
ロボットスーツHALによるリハビリテーションがもたらす脳内ネットワーク機構解析
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25350594
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
浦川 将 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 客員准教授 (30445811)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ロボットスーツ / リハビリテーション / 脳機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
ロボットスーツHAL(Hybrid Assistive Limbs)は、下肢に装着して歩行動作をアシストしてくれるロボットであり、脳卒中や脊髄損傷患者に対する継続的な使用により機能回復がもたらされるとの報告がある。しかしながら、HALを使用することによってもたらされる生理学的機序に関しては、ほとんど報告されていない。本研究の目的は、HALを使用することによってもたらされる脳機能変化を検証することである。対象として、脳卒中片麻痺患者に対してHAL装着によるリハビリテーションを付加的かつ継続的に行い、それによってもたらされる効果と脳内ネットワーク機構の変化を観察した。また、HAL使用時にどのような脳機能ネットワークが実行されているかを検証するために、健常被験者を対象にした脳血行動態についても計測した。その結果、HALの継続的な使用は、脳卒中患者のバランス能力改善がほぼ全症例に確認され、立位安定性の向上や回転時のふらつき減少など、麻痺側下肢の機能性向上による効果がもたらされた。HAL装着による動作時には、体性感覚野の有意な活動性上昇が認められ、HALによってもたらされた感覚情報を活用して動作を行っていることが示唆された。また、HAL装着時の動作は、装着者によって異なる認知性が見受けられ(動きやすい・やりづらいなど)、これに関連してHAL動作時の前頭前野活動が異なることが分かった。このことから、HAL装着時の脳機能ネットワークには、動機づけや集中・意識など高次脳機能を担う前頭前野が含まれ、装着時の動作主体感によって変動することが示唆された。
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Research Products
(4 results)