2014 Fiscal Year Research-status Report
嚥下と呼吸の協調波形及び非協調波形と誤嚥との関係性解明に向けた臨床研究
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25350602
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
東嶋 美佐子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学), 教授 (40279005)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 摂食嚥下機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
25年度の計画であった非侵襲センシング装置の改良が計画通り進行せず、データ収集・解析プログラムを含めた完全改良が終了したのが26年の年度末であった。 26年度の計画は、非侵襲センシング装置、スパイロメーター、反復唾液嚥下検査装置を使って、3群の対象者にゼリーと水分を摂食させた際の、喉頭運動や呼吸運動の違いを検証する事であった。 しかし、非侵襲センシング装置の改良の遅れから、26年度は改良した非侵襲センシング装置、スバイロメーター、さらには反復唾液嚥下検査装置の代用としての非侵襲センシング装置の可能性を含めた予備実験を、健常成人を対象に実施した。同時に検査物として使用するゼリーの硬度・粘性・グラムについての予備実験も行なった。非侵襲センシング装置の呼吸運動センサは、左鼻腔外側にサージカルテープで固定する計画であった。しかし、サージカルテープが鼻腔を出入りする空気の流れを阻害するような波形(本来の波形はリズミカルな山谷波形を繰り返すが、阻害波形は山の右部分の波形が内側に入り込んだ形)を示した。つまり呼気時にテープに空気が当たっている事が示唆されたため、クリップ固定に変更し呼吸波形の問題は解決した。さらに使用するゼリーの硬度については何回も試作を重ねて、果汁100%をゼラチン5gで固めた一つ10ccの検査食を5口、水分はトリガスプーンで最大すくえる量10ccを5口、30秒間の反復唾液嚥下検査を含めて、すべて非侵襲センシング装置で行なえる事が予備実験で確認できた。具体的実験計画が策定できた。 まず初めに75歳以上の健常高齢者20名を対象に研究を開始することから、被検者依頼を行なった所である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
非侵襲センシング装置を使って得られるデータ収集プログラムソフトと、その収集したデータを一端PCに保存後に解析するプログラムソフトの両ソフトの完成が遅れた。そのため非侵襲センシング装置とソフトを同期した実験が出来ず、当初計画より半年遅れの状態である。 しかし、27年度の最終年度は、収集したデータの解析を後半に行なう計画であるが、収集後に引き続き解析をしていく事から、27年度末で三年間の研究計画は完結できると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
27年10月までに研究計画通り被検者データの収集と解析を終了予定である。その後論文作成に向けた先行研究等の収集を行なう。 臨床現場でデータを収集する際に、検査者一人では非侵襲センシング装置の操作と食事操作が困難であること、さらには臨床現場に持参するには波形を見る画面が大きく小型化の必要性がある。また波形解析には一定の知識・技術・時間が必要な事から、解析の効率化を図るソフトの開発を行なう必要がある。 装置の小型化とソフト開発を6月から行なって、10月ですべての被検査者データが取り終えた後に、11月から翌年の1月までの3ヵ月間で、臨床現場において小型化した装置と解析の効率化に向けた予備実験を行なう計画である。
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Causes of Carryover |
非侵襲センシング装置と収集・解析プログラムソフトの製作遅延により、被検者データの収集にかかる費用について使用しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画における被検者データの収集は研究補助員と共に10月末で完結する計画である。 すでに臨床現場でのデータ収集においてセンシング装置並びにプログラムソフトの改良が必要な現状があることから、データ収集と並行して装置やソフトの改良に向けての作業を開始する予定であることから、その改良費とその後の予備実験費として使用する計画である。
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Research Products
(10 results)