2013 Fiscal Year Research-status Report
最適性を基礎とした運動機能制限下での運動戦略の選択に関する理論構築
Project/Area Number |
25350614
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
藤澤 宏幸 東北文化学園大学, その他の研究科, 教授 (20316425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 博人 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助手 (50635430)
村上 賢一 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 助教 (60433520)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 機能制限 / エネルギーコスト / 最適化 / 運動パターン |
Research Abstract |
平成25年度においては、機能制限モデルを用いた歩行時の運動パターンとエネルギーコストの関係を明らかにすること、さらには自由歩行をさせたときに選択される運動パターンがEC最小になるのかを明らかにすることであった。 対象は、健常若年男性20名であった。全ての対象者は実験参加に先立ち、十分な説明受けた後、同意書に署名した。我々は被験者の右股関節屈曲を0度に制限し、それを機能制限モデルと定義した。機能制限モデルにおける歩行再建の戦略は3種類とした(骨盤後傾型・骨盤回旋型・足部揃え型)。測定条件は10、20、30、40、50、60 m/minの6種類とし、被験者は静止立位を3分間とった後、各速度で3分間歩行した。各歩行戦略での歩行中、呼気ガス分析装置を使用して酸素摂取量(VO2)を測定した。最後に、被験者は歩行戦略を指定されないで歩き、我々はこれを自由歩行と定義した。さらに対照として、被験者は機能制限のない条件で歩行を行い、我々はこれを普通歩行と定義した。統計解析では、二元配置分散分析および事後検定としてBonferroniの多重比較検定を用いた。なお、これらの統計学的有意水準は危険率5%未満とした。 VO2においては、歩行戦略と歩行速度に主効果を認めた。また、両要因間の交互作用は有意だった。10m/minにおいては、VO2は回旋型、揃え型、後傾型の順で大きかった。20~60m/minにおいては、VO2は揃え型、回旋型、後傾型の順で大きかった。10 m/min での自由歩行において、揃え型を選択した者は10人、後傾型は10人だった。骨盤後傾型の人数は速度の増加と共に増え、60 m/minでは19人が選択した。本研究の結果において、エネルギーコストの面から考えると、後傾型が最も効率的であると明らかとなった。また、自由歩行における運動パターンの選択はECを優先すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の実施計画において、機能制限下における歩行の最適化について、その運動戦略の原則にエネルギーコストが重要であることを明らかにすることが目標であった。結果、仮説通り、エネルギーコストが運動戦略の決定に重要な因子であることが明らかとなった。ただし、各歩行時の位置エネルギーと運動エネルギーの変換効率について検討が残ったことから、引き続き研究を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は立ち上がり動作という、繰り返しのない動作において、運動戦略が何によって決定されているのか明らかにすることが目標である。我々は、機能制限下における繰り返しのない動作についてもエネルギーコストが重要な因子になっていると考えており、Jerk costを指標として予定通り研究を進める。 健常成人男性20名を対象として、一側足関節に背屈制限を加え、自然に選択される重心軌道と、意図的に指定した運動パターンにおける重心軌道のJerk Costを比較する。 また、昨年度に検討できなかった各歩行戦略におけるエネルギーの変換効率について、引き続き検証を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度は基本的な物品の購入に費用を費やし、また被験者においては無償ボランティアにて引き受けてもらえた。また、初年度であり、成果発表については機会がなかったため、次年度の使用額が生じた。 研究成果発表を積極的に実施し、また昨年度に実施できなかった各種歩容のエネルギー変換効率の比較についても並行して進める。
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