2014 Fiscal Year Research-status Report
fMRIとトラクトグラフィーを用いた脳卒中後の片麻痺の回復の予後予測法の開発
Project/Area Number |
25350615
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
加藤 宏之 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (60224531)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リハビリテーション / functional MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
① 近赤外線スペクトロスコピー(NIRS)は、非侵襲的に脳活動をモニターすることができるため、脳梗塞患者の脳機能の評価に用いられるようになった。これまでわれわれは、軽度の片麻痺、あるいは、回復した片麻痺患者において、NIRSを用いて脳機能を測定してきた。今回われわれは慢性期の、軽度、および、中等度の片麻痺を有する脳卒中患者10例において、手運動時の脳活動を計測した。正常例、軽度片麻痺手、および、片麻痺患者の非麻痺手の運動時には、対側の感覚運動野が活動した。これに対して、中等度の片麻痺患者の麻痺手運動時には、両側性感覚運動野の活動や、同側性感覚運動野の活動などの異常活動パターンが観察された。以上のように、NIRSを用いて、脳梗塞患者において、様々な脳活動パターンが検出でき、脳機能の再構築を評価できることが示された。 ② 左中心後回に限局した脳梗塞による右手の固有感覚消失により、同手の高度の運動制御障害を呈した貴重な症例を経験したので、fMRIとトラクトグラフィーを用いて、その機構を検討した。本症例では、正常手の運動によるfMRIでは、対側感覚運動野、補足運動野、同側小脳など運動ネットワークが広範に活動したが、患手の運動によるfMRIでは、対側一次運動野が軽度に活動するのみであった。トラクトグラフィーによる錐体路の描出は両側とも正常であった。本症例は、固有感覚が障害されると、運動系が正常であっても運動制御が高度に障害されることを示す貴重な一例である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の2報告が論文として掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
脳梗塞後の片麻痺を有する患者の、fMRIとトラクトグラフィーの検討を進める。
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Causes of Carryover |
少額なので調整しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に使用する。
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