2013 Fiscal Year Research-status Report
嚥下時の舌骨・喉頭挙上を改善する等尺性開口筋訓練法の確立
Project/Area Number |
25350625
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小山 祐司 東海大学, 医学部, 講師 (80266444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 隆 東海大学, 医学部, 講師 (00366014)
伊藤 大起 東海大学, 医学部, 助教 (00420985)
豊倉 穣 東海大学, 医学部, 教授 (20217566)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 嚥下障害 / 舌骨上筋群 / 筋力増強訓練 / 開口運動 / バイオフィードバック / 運動解析 / 等尺性運動 / 等張性運動 |
Research Abstract |
平成26年度のWindows XPサポート問題を踏まえ、平成25年秋にヴァージョンアップした運動解析ソフトウエア(DIPP-Motion V:Windows 8対応)を用いて研究環境を構築した。平成25年度は予備的研究として、新しい視点でデータ解析をすすめた。 舌を硬口蓋へ押しあてた閉口位での等尺性開口筋訓練は舌骨上筋群(SH)<舌骨下筋群(IH)の伸張性筋活動よりもSH=IHの等尺性筋活動に結び付くと考えた。 【目的】新しい等尺性開口筋訓練が舌骨拳上運動を改善するか否かを明らかにする。 【方法】対象は下咽頭に食塊残留を認めた脳卒中嚥下障害患者。double blind randomized control trial。[real訓練] SHに表面電極を添付。舌前半部を硬口蓋へ押しあて、閉口位のまま等尺性開口運動を80%MVC(Maximum Voluntary Contraction)で6秒間保持。これを20セット1日1回、週5回、計6週間継続。[sham訓練] 咬筋に表面電極を添付。舌は安静位、閉口位のまま等尺性閉口運動を20%MVCで6秒間保持。これをreal訓練と同様に計6週間継続。2ml液体の命令嚥下を嚥下造影側面像で記録。訓練前後の嚥下時舌骨運動を動作解析ソフトで評価。 【結果】オトガイ舌骨筋(GH)の筋長を仮想した舌骨-下顎の2点間距離は、real訓練では 1)訓練前後の安静位で有意差なく、2)訓練後の舌骨前方移動終了位で有意に短縮。 【考察】1)GHを含む筋長は伸張されず有害負荷とはいえない。2)舌骨前方移動の改善に結び付くSHの筋力増強効果と考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度のWindows XPサポート問題のため、運動解析ソフトウエア(DIPP-Motion V)を用いた新しい研究環境の構築に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
開口運動は近年注目されつつある咽頭期嚥下障害への治療的アプローチといえる。我々は、舌前半部を硬口蓋へ圧接した口腔期開始の構えが、開口運動時における口腔底筋群の引き下げ防止に一定のアンカー効果をもたらすのではないかと考え、舌前半部を硬口蓋へ圧接した閉口位での等尺性開口筋訓練法を開発した。しかしながら開口運動により期待される効用と、それに対する適切な訓練法の詳細が確立していない現状があり、臨床現場における使用上の混乱も否めない。 以上から、舌骨上筋群の筋力増強訓練として適切な方法を明らかにするために、以下の仮設を立て、これを証明するために咽頭期に運動障害を有する脳卒中患者および非脳卒中患者を対象に、ランダムに条件分けした開口筋訓練を実施し、訓練前後のデータを蓄積する。 1) 閉口位の等尺性開口筋訓練が、最大開口位の等尺性訓練や等張性訓練よりも嚥下時の舌骨前方運動を改善する。 2) 閉口位の等尺性訓練において、舌前半部を硬口蓋へ圧接した構えで行う開口筋訓練が、舌安静位の開口筋訓練よりも嚥下時の舌骨前方運動を改善する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Windows XPサポート問題への対処のため、動作解析ソフトを含めた研究環境整備に時間を要した。このため患者データ収集が予備的研究の段階にとどまった。 平成25年度に収集できなかった患者データに必要な機器・消耗品等に使用する。
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