2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳卒中後高次脳機能障害の皮質・皮質下相互作用による脳活動ガイド下介入治療
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25350628
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
大林 茂 日本医科大学, 医学部, 講師 (90318246)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リハビリテーション医学 / 高次脳機能障害 / 近赤外線スペクトロスコピー / 補足運動野 / 大脳皮質ー皮質下連関 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮質―皮質下間相互作用(Diaschisis)という概念(von Monakow, 1914)の仮説として大脳皮質―皮質下神経連絡ループ(前頭葉―脳幹―小脳―視床―前頭葉)に注目し、橋、小脳、視床の各病変による前頭葉皮質機能への影響をNIRSで検討した。まず、急性期視床病変患者14例でSFXの灌流異常(高灌流9例、低灌流5例)、語想起の有意な低下、さらにSFX上でVFT時のNIRS計測で有意な酸素化ヘモグロビン濃度(以下[oxy-Hb])低下とVFT成績との強い正相関(R=0.75)を示した。また長期フォローした患者では VFT成績回復ともにSFX[oxy-Hb]は線形的に上昇した(日本リハ医学総会2011)。橋、小脳各病変でも同様に検討した。小脳病変では、VFT関連dynamic responseは、健常群のそれと比べ、有意に低下し、follow-up NIRSでは認知機能が回復後もdynamic responseは低下したままであっった。一方、橋病変患者では、安静時脳SPECTでは、両側前頭連合野でhyper-perfusion,両側小脳半球でhypo-peefusionを示した。かつ、認知機能評価項目と強い相関関係を認めた(frontal hyper-perfusionとMMSE,TMT-Aとの正の相関;cerebeller-hypo-perfusionとTMT-Bとの負の相関関係)。VFT関連dynamic responseとTMT-Bの正の相関もみとめた。以上より、VFT時のNIRS計測で検出されたSFXのdynamic response様式やSPECT結果が病変部位ごとに異なることから上記ループ内で情報処理が階層的に行われている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)