2014 Fiscal Year Research-status Report
胃がんの外科手術に適した周術期リハビリテーションの研究
Project/Area Number |
25350635
|
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
久米 真 朝日大学, 歯学部, 教授 (00372326)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川部 篤 朝日大学, 歯学部, 准教授 (00350877)
中嶋 早苗 朝日大学, 歯学部, 准教授 (80387472)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 胃がん / がんのリハビリテーション / リハビリテーション栄養 / 内部障害のリハビリテーション / 周術期栄養評価 / 多職種チーム医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究一年目には、研究開始までに準備した栄養評価方法、体成分分析方法を応用して胃がん患者の周術期体成分変化の特徴、食事摂取量の変化、そして栄養指標の推移に関する特徴を確認することが出来た。特に、胃がん患者の周術期、急性期には筋肉量の減少が著しいことが特に胃全摘患者であきらかな傾向としてとらえられた。この結果を参考に、患者に栄養介入の重要性とその期待される効果を説明し、了解された患者を対象に術前1週間以上にわたって免疫栄養剤「インパクト」の服用を指導した。 現在までに、以下の二点について有意な結果が得られつつある。 1) 患者血中における脂肪酸濃度を測定することによって、術前から開始する栄養療法によって投与した栄養剤成分、脂肪酸成分が患者体内に確実に吸収され、有意に患者の血中における濃度が上昇することが確認できた。 2) 特に、術前からプレアルブミン値が低値を示す低栄養状態の胃がん患者において、術前にインパクトを投与した患者群では、術前栄養介入を行わなかった患者群に比較して有意に術後合併症発生率が抑制されることが明らかになりつつある。また、統計学的有意差は確認できないが、術後SSI発生率、術後在院日数も術前から栄養療法介入を行った患者群において低く抑えられる傾向にあることがあきらかになりつつある。 したがって、当初目的とした、胃がん患者に対する栄養介入療法の方法論とその期待される結果について、現在の研究方法は方向性として良好な結果に結びつく可能性を示しており、さらに現在の研究方針で進めていく価値があると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
術前低栄養状態の胃がん患者において、術前にインパクトを投与した患者群では、術前栄養介入を行わなかった患者群に比較して有意に術後合併症発生率が抑制されることが明らかになりつつある。また、統計学的有意差は確認できないが、術後SSI発生率、術後在院日数も術前から栄養療法介入を行った患者群において低く抑えられる傾向にあることがあきらかになりつつあるので、現在の研究方針で研究目的の達成に近づく事が出来るのではないかと考えており、順調に進展していると評価している。
|
Strategy for Future Research Activity |
ω3系不飽和脂肪酸を含有する栄養剤「インパクト」を用いた術前からの栄養介入療法によって胃がん周術期の栄養改善、体成分の変化に与える影響、周術期合併症減少効果などについてさらに詳細なデータをまとめ、論文にまとめて発表する予定である。
|
Causes of Carryover |
研究に用いる測定方法のほとんどが今回の科学研究費補助金で購入した体成分分析と血中の栄養指標評価項目、さらに日常診療に用いる血液データや栄養指標であるため、研究費を用いて測定する項目がプレアルブミン値だけであった。このため、予定よりもコストがかからずに研究が遂行できている。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度は研究発表、論文作成を予定しているため、その費用にあてる計画である。
|
Research Products
(3 results)