2015 Fiscal Year Annual Research Report
物理的刺激による骨格筋可塑性発現機構の解明とロコモティブシンドローム治療への応用
Project/Area Number |
25350641
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Research Institution | Toyohashi Sozo University |
Principal Investigator |
大野 善隆 豊橋創造大学, 保健医療学部, 講師 (80440808)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 細胞・組織 / ストレス / 筋肥大 / 骨格筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋は可塑性に富んだ器官であり、細胞外刺激に適応して構造的・機能的に変化する。種々の物理的刺激によって骨格筋量と機能の維持向上がもたらされる際に、熱ショックタンパク質(Heat shock proteins:HSPs)の発現も増加することが報告されている。骨格筋の量的・機能的適応にHSPsが関与している可能性が指摘されているものの不明な点が多い。 本研究では、物理的刺激による骨格筋応答およびHSPs発現の変化を追究する。そして、機械的刺激、温熱刺激など物理的刺激による骨格筋の量的かつ機能的応答におけるHSPsの役割を解明する。 本研究は3年計画で実施され、本年度はその3年目の最終年度に当たる。本年度の検討項目は、神経内分泌系の関与がない環境における、温熱刺激後の骨格筋応答におけるHSPsの役割とした。実験対象には筋組織と筋細胞を用いた。筋組織はマウスのヒラメ筋を用い、温熱刺激(41℃、60分間)がタンパク質合成に関わる細胞内シグナル伝達因子であるAktやp70 S6 kinase(p70S6K)に及ぼす影響を評価した。筋組織のAkt、p70S6Kのリン酸化レベルは温熱刺激後に増加した。また、筋細胞はマウス骨格筋由来筋芽細胞C2C12を用い、温熱刺激後の筋タンパク質量、HSPs発現量、タンパク質合成に関わるシグナル伝達因子の応答を評価した。筋細胞に対する温熱刺激により、HSPs(HSP70、HSP110)の発現量ならびにAkt、p70S6Kのリン酸化レベルの増加と、筋タンパク質量の増加が認められた。以上より、全身性の温熱刺激だけでなく、骨格筋細胞を対象とする温熱刺激もHSPs発現の誘導ならびにタンパク質合成の促進を引き起こすことが示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Involvement of AMPK in regulating slow-twitch muscle atrophy during hindlimb unloading in mice2015
Author(s)
Egawa T, Goto A, Ohno Y, Yokoyama S, Ikuta A, Suzuki M, Sugiura T, Ohira Y, Yoshioka T, Hayashi T, Goto K.
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Journal Title
American Journal of Physiology - Endocrinology and Metabolism
Volume: 309
Pages: E651-E662
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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