2013 Fiscal Year Annual Research Report
バーチャルリアリティを用いた脳梗塞リハビリテーション効果の神経科学的解明
Project/Area Number |
25350642
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Research Institution | Seijoh University |
Principal Investigator |
橘 篤導 星城大学, リハビリテーション学部, 研究員 (80409995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 和子 星城大学, リハビリテーション学部, 教授 (50140413)
山田 和政 星城大学, リハビリテーション学部, 教授 (20367866)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ダンスビデオゲーム / fMRI / fNIRS / 国際情報交換 アメリカ合衆国 / 脳梗塞 / リハビリテーション / 運動介入 |
Research Abstract |
本研究は、脳梗塞によって引きおこされた運動症状に対するリハビリテーション法としてバーチャルリアリティによるダンスビデオゲームのトレーニングを用いることで歩行運動機能やバランス維持、認知判断能力が向上するという先行研究に基づき発足した。そのような行動学(運動学・生理学・力学・心理学)的効果のメカニズムについて、本研究では先端的な脳機能イメージング法を用い神経科学的に解明することで、新しいリハビリテーション法を確立して脳梗塞患者の生活の質(QOL)の向上を目指すこととした。 本研究では、これまで示してきた行動学的なデータを基に、実際に脳梗塞患者および同年齢層の健常者と若齢成人が被験者となり、ダンスビデオゲームDDRを行っている際の脳機能をfMRI(機能的磁気共鳴画像法)とfNIRS(機能的近赤外線分光法)を用い測定することを目指した。コントロール群となる若齢成人が被験者では、fNIRSを用いた実験でDDRの上級者と初級者での前頭極および中側頭回での脳血流パターンの差がみられた(Ono et al, Neuroimage 2013)。また、fMRI実験において、ゲームの共同作業を行っている際の脳活動を確認したところ、困難な作業を行っている際に前帯状回および新線条体で有意な賦活がみられた(Ono et al 日本神経科学学会2013)。 これらの結果を基に、脳梗塞患者および同年齢層の健常者におけるDDRのトレーニング前後の脳機能計測を行う予定であったが、研究代表者の異動に際し赴任先の規定により継続が困難なため、事業の廃止申請をするに至った。本研究は科研費事業としては辞退するが、研究分担者・研究協力者が主体となり、新しいリハビリテーション法を確立して脳梗塞患者の“生活の質(QOL)”の向上を目指し、幅広く社会に貢献することを目的とし研究を継続していく予定である。
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