2013 Fiscal Year Research-status Report
最適電気刺激条件による褥瘡の加速的治療に関する研究
Project/Area Number |
25350649
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
杉元 雅晴 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (20379457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺師 浩人 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (80217421)
前重 伯壮 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (90617838)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヒト皮膚由来線維芽細胞 / 細胞の増殖 / 周波数 |
Research Abstract |
研究目的;褥瘡に対する電気刺激療法は,推奨度がBランク(創の縮小)であるが,統一した刺激条件はなく,最適な刺激条件の究明が必要である.これまでに確認した線維芽細胞の遊走における最適刺激強度200μAで,細胞分裂に最適な周波数の検証を行った. 方法;細胞はヒト皮膚由来線維芽細胞の7-8 継代を用いた.培地は10% FBS 含有D-MEMにて行った.播種条件は60mm dishに細胞数を20×10000 cellsの濃度で播種した.電気刺激は直流微弱パルス電流刺激(直流電流刺激)を用いて,刺激強度0μA(コントロール群),周波数2Hz,パルス幅250msec,刺激強度200μA(2Hz群)および周波数64Hz,パルス幅8msec,刺激強度200μA(64Hz群)の3条件とした.電極は白金電極を使用し,専用刺激装置(試作品)を用いて直流電流刺激を行った.撮影はタイムラプス顕微鏡(OLYMPUS)を用いて,60mm dishの中央,電極周辺を1時間ごとに72時間撮影を行った. 結果;3条件における死細胞数に差はみられなかった.72時間後,60 mm dish内の細胞数についてはコントロール群,64Hz群と比較し,2Hz群で細胞数が多く確認された.線維芽細胞に対する直流電流刺激では,2Hz群において細胞の増殖が確認され,64Hzではコントロール群と差がみられなかった.褥瘡治療に使用した周波数2Hz,パルス幅250msecでは創の縮小が得られており,臨床研究でも有効な周波数の1つであることが確認できた. 線維芽細胞に対する直流電流刺激はコントロール群,64Hz群に比較し,2Hz群で細胞の増殖が確認された.今後,それ以外での周波数も検討することで,細胞の増殖に最適な周波数が確認できると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度から新しい実験環境下で始めたので、環境整備に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
60mm dishに細胞数を20×10000 cellsの濃度で播種したヒト皮膚由来線維芽細胞(7-8 継代)を用いて,電極は白金電極を使用し,直流微弱パルス電流刺激装置により,コントロール群,周波数1Hz(パルス幅250msec)群,周波数4 Hz(パルス幅250msec)群を追加し,3条件で細胞増殖にとって最適周波数帯を絞りこみ、最適刺激周波数を確認する. その後、最適周波数において,パルス幅を250msec,125msec,64msec,32msec,16msec,8msecに調節し,最適パルス幅を確認する。撮影はタイムラプス顕微鏡(OLYMPUS)を用いて,60mm dishの中央,電極周辺を1時間ごとに72時間撮影を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験環境整備に時間がかかり、研究開始が遅れた。 今までの遅れを挽回し、次年度の研究進行を取り戻すよう精力的に行動する。
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Research Products
(4 results)