2014 Fiscal Year Research-status Report
最適電気刺激条件による褥瘡の加速的治療に関する研究
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25350649
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
杉元 雅晴 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (20379457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺師 浩人 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (80217421)
前重 伯壮 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (90617838)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 直流微弱電気刺激 / パルス電流 / 周波数 / 褥瘡 / 線維芽細胞 / 筋線維芽細胞 / α-SMA / TGF-β1 |
Outline of Annual Research Achievements |
褥瘡治癒を促進する要因として、電気走性だけではなく、肉芽の基盤となる線維芽細胞の増殖を促進させる電気刺激条件を確認する必要性が出てきた。そこで、電気刺激の周波数(低周波数:2Hz、高周波数:64Hz)に焦点を当て、線維芽細胞の増殖能力を比較した。その結果、直流微弱電流刺激では、2Hzにおいて細胞の増殖が確認され、64Hzではコントロール群と差がみられず、抑制傾向となった。現在、この間の周波数(1~64Hz)での最適周波数の確認実験を継続している。 さらに、直流微弱電流刺激の周波数による線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化の影響度を確認するために、筋線維芽細胞への分化マーカーであるα-SMA(α-smooth muscle actin )の発現率を確認する必要がある。そこで、本研究課題に適したreal time PCR法による手技の実験手順を検証してきた。測定方法において、α-SMA、およびその発現促進因子であるTGF-β1(Transforming growth factor-β1)のmRNA発現の定量手技の検証を終えた。現在、プライマー(primer)のデザインを決定した。 本年度に、実験で使用している電気刺激装置の機構を特許申請(特願2014-185752)し、実用的な創傷(褥瘡)治療専用器として臨床に活用できるよう、企業との製作連携を目指している。 臨床研究では、仙骨部の褥瘡(NPUAP分類のstageⅢ)を発症した患者に対して、直流微弱電流刺激(電流強度:200μA、周波数:2Hz、治療時間:40分、毎日実施、陰極:創部、陽極:健康皮膚部)を実施し、カルテから実施前の褥瘡の病態を確認し、レトロスペクティブ研究として褥瘡の治癒率を比較し、基礎研究での成果を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
直流微弱電流刺激の周波数の変更による線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化の影響度を確認するために、筋線維芽細胞への分化マーカーであるα-SMA(α-smooth muscle actin )の発現率を確認する必要がある。今まで、培養細胞研究において組織学的研究を中心に行ってきたが、遺伝子解析(real time PCR法)を通して、メカニズムに踏み込むことにした。その為、新しく本研究に適切な実験手技を検討し、技能の習熟に時間がかかっている為、予定より少し遅れている。ただ、最終年度の臨床研究を進めているので、それほどの遅れでもないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
電気刺激の周波数の変更により、線維芽細胞の増殖能力が変化することを確認できたので、周波数を小区画(1~64Hz;1,2,4,8,16,32,64Hz)し、最適周波数の確認実験を継続する。 また、周波数の変更による線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化の影響度を確認するために、筋線維芽細胞への分化マーカーであるα-SMA(α-smooth muscle actin )の発現率を遺伝子解析(real time PCR法)を通して、確認実験を実施する。 臨床研究では、昨年度実施した方法で褥瘡症例を追加し、基礎研究で得られた成果を検証していく。
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Causes of Carryover |
直流微弱電流刺激の周波数の変更による線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化の影響度を確認するために、筋線維芽細胞への分化マーカーであるα-SMA(α-smooth muscle actin )の発現率を確認する必要がある。今まで、培養細胞研究において組織学的研究を中心に行ってきたが、遺伝子解析(real time PCR法)を通して、メカニズムに踏み込むことにした。その為、新しく本研究に適切な実験手技を検討し、技能の習熟に時間がかかっている為、予定より少し遅れている。まだ、本実験に入っていないため、購入物品が少なくなっている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
電気刺激の周波数の変更により、線維芽細胞の増殖能力が変化することを確認できたので、周波数を小区画(1~64Hz;1,2,4,8,16,32,64Hz)し、最適周波数の確認実験を継続する。また、周波数の変更による線維芽細胞から筋線維芽細胞への分化の影響度を確認するために、筋線維芽細胞への分化マーカーであるα-SMA(α-smooth muscle actin )の発現率を遺伝子解析(real time PCR法)を通して、確認実験を実施する。 臨床研究では、昨年度実施した方法で褥瘡症例を追加し、基礎研究で得られた成果を検証していく。
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Research Products
(8 results)