2014 Fiscal Year Research-status Report
特異的運動耐容能を呈するCOPD患者の身体機能、身体能力、社会背景の多次元的分析
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25350650
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
堀江 淳 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (60461597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 真一郎 佐賀大学, 医学部, 准教授 (50211488)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | COPD / 運動耐容能 / 多次元的分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
共同研究者である林真一郎(佐賀大学)とともにデータ収集、データ解析を進めた。共同研究施設である佐賀大学医学部付属病院、佐賀県医療センター好生館、佐賀中部病院、伊万里松浦病院、敬天堂古賀病院、長生堂渡辺医院、副島病院(以上、佐賀県)、高木病院(福岡県)にて、順調に患者データの収集にあることができた。 26年度は、「特異的運動耐容能を呈するCOPD患者の身体機能、身体能力、日常生活動作、健康関連QOLに関する検証」をテーマにデータを解析、公表した。病状安定期にあるCOPD患者165名の中から、%FEV1が50%以上で、漸増シャトルウォーキング距離(ISWD)が250m以下の者21名(特異的低運動耐容能群)、%FEV1が50%未満で、ISWTが251m以上の者47名(特異的高運動耐容能群)を対象とし、それぞれの群の身体機能、身体能力、日常生活動作、健康関連QOLの差異について検証した。結果、特異的高運動耐容能群は、%FVC、FEV1%、%MIP、%GP、%QF、片脚立位時間、最速歩行速度、6MWD、NRADLにおいて有意に高値を示し、TUGにおいて有意に低値を示した。このことから、呼吸機能が不良であっても運動耐容能の高いCOPD患者は身体機能、身体能力が高く、ADLも高いことがわかった。病期が進行し、呼吸機能が不良となっても、運動耐容能トレーニングによって、運動耐容能を維持することにより、高い身体機能、身体能力、ADLが維持できる可能性が示唆された(European Respiratory Society Annual Congress2014にて発表)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者、研究協力者とのコミュニケーションが十分にはかれているため、研究はおおむね順調に進んでいる。また、共同研究施設のCOPD患者の受診状況も概ね変化がなく、研究が順調に進んでいる要因となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度までに選択基準を満たしているCOPD患者のエントリーを終了しており、横断データの収集は、概ね順調に収集できている。平成27年度は、26年度から引き続き、1年後の縦断データを収集し、データの分析を進めていく。また、新たに追加した指標についての縦断分析も行い、特異的運動耐容能を呈するCOPD患者の影響因子に関する解析を詳細に進める予定である。
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Causes of Carryover |
測定機器、および解析機器について既存のものを継続して使用が可能であり、臨床診療用の測定機器を、研究用として活用することができたため。また、データ収集の範囲を拡げるために、身体活動量計でのデータ収集を取りやめ、質問票によるデータ収集に変更したため。 更に、平成27年度に共同研究施設でのデータ収集の機会が増加することが予測されたため、次年度に予算を繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
解析用ソフト、データ管理用ソフト、データ管理用PCを購入予定。また、データ収集をさらに進めるため、共同研究施設までの旅費に使用予定。 その他に、これまで解析した結果を公表するための、論文投稿料、英文校正料、学会発表のための参加費、旅費に使用予定である。
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