2015 Fiscal Year Annual Research Report
特異的運動耐容能を呈するCOPD患者の身体機能、身体能力、社会背景の多次元的分析
Project/Area Number |
25350650
|
Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
堀江 淳 京都橘大学, 健康科学部, 教授 (60461597)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 真一郎 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (50211488)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | COPD / 運動耐容能 / 多次元的分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
共同研究者である林真一郎(国際医療福祉大学)と共に縦断的データを中心にデータ収集し、データ解析を進めた。高邦会高木病院(福岡県大川市)、佐賀大学医学部付属病院、渡辺医院を中心とした、それら施設に通院中のCOPD患者のデータ収集が順調になされた。 27年度は、以下の2点の解析を行った。 「特異的高運動耐容能患者と特異的低運動耐容能(SL)患者の呼吸機能、身体機能、身体能力、心理機能、社会背景の特性における3か月間の呼吸リハビリテーションの効果」を検証した。結果、3か月間継続フォローできたCOPD患者235例で、6MWD≧350m、%FEV1.0<50%(SH群)50例、6MWD<350m未満、%FEV1.0≧50%(SL群)38例であった。SH群は、mMRC、最速歩行速度、6MWDが有意に改善した。SL群は、%MEP、最速歩行速度、6MWD、ISWD、SGRQが有意に改善した。SH患者は、呼吸機能が不良(病期が進行)しているにもかかわらず、高い呼吸機能、身体機能、身体能力を有していた。しかし、SL患者は、病期が早期であるにも関わらず呼吸機能、身体機能、身体能力は低値を示した。 また、「特異的運動耐容能を呈するCOPD患者の呼吸リハビリテーションにおける変化特性についての検証~1年間の前向きコホート研究~」で検証した。結果、1年間継続フォローできたCOPD患者49例で、SH群10例、SL群12例であった。1年間の呼吸リハビリで、SL群、SH群は、共に多くの測定指標で現状維持しかできなかった。呼吸リハビリに関する1年間の短期効果は、概ね良好であるとの先行研究が多いものの、特異的運動耐容能を有するCOPD患者では、現状維持が目標となるのかもしれないことが示唆された。
|