2013 Fiscal Year Research-status Report
心臓リハビリテーションにおける非侵襲的心機能評価法の開発:力‐心拍数関係の応用
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25350651
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
田中 みどり 姫路獨協大学, 医療保健学部, 准教授 (50441332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (10152365)
菅原 基晃 姫路獨協大学, 医療保健学部, 名誉教授 (60010914)
泉 唯史 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 教授 (40278990)
梶谷 文彦 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (70029114)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Wave Intensity / 運動 / 心機能 / 心臓リハビリテーション |
Research Abstract |
心臓リハビリテーションを行うに際して,運動中の心機能を把握することは重要である. 現在運動負荷中の心機能の評価はほとんど行われていない.運動中の心機能の評価に利用できる可能性を持つ指標はForce-Frequency Relation, 略してFFRであるが,現在,FFRを非侵襲的に測定する方法は確立されていない.そこで我々は,頚動脈エコーを用いてFFRを非侵襲的に測定する方法を開発した. FFRとは,心拍数上昇に伴い心臓の収縮力が増強される現象であるが,増強のされ方はその心臓の性能に依存する.本研究では超音波診断装置を使用して,心機能指標の一つであるWave Intensity(WD)を測定した.WDは,WD = (1/D)(dD/dt)(dU/dt)で定義される.ここで,Dは血管の直径,Uは血流速度である.頸動脈のWD波形の収縮初期に現れるピーク値WD1は,心臓の収縮の強さを表す心収縮性の指標である. 従来のFFRの測定法では,心拍数は心房ペーシングにより変化させていたが,本研究では,心肺運動負荷により非侵襲的に心拍数を増加させた. 34名の健康な若年男女(20.8±1.2歳)において,心肺運動負荷試験による心拍数の上昇に伴いWD1は有意に増加した(r2 = 0.8 ± 0.1). 心肺運動負荷試験中のWD1の測定によりFFRが非観血的に測定できることが示された. FFRの傾き(k)は 0.30 ∼ 2.4(平均1.4 ± 0.4)[m/s3bpm]と個人間でばらつきがあったが,kは Body Mass Indexの増加とともに減少した(r = 0.56)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の計画は,若年対象者によりForce-Frequency Relation (FFR) の計測法の妥当性を検討することであった.これに基づき若年対象者を対象にして心肺運動負荷試験中の頚動脈Wave Intensityを34名に対して行い,FFR測定が可能か否かの検証を行い,測定が可能であろうとの結論を得た.また,FFRの現れ方に個人差が生じていたため,これに関しても解析を行い,BMIと中等度の相関を有していたことも検証した.よって,計画目標はほぼ達成し,さらに新たな検証を行っているため,概ね順調と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
若年対象者での計測を追加して行うとともに,10年毎の各年齢層で心疾患の診断の無い中高齢者を対象として(各年齢層20名を目処に)FFRを測定する. 平成26年は,主として25歳~50歳代を対象とする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
共同研究者泉唯史教授は,職場の転勤に伴い,当初予定通りの研究参加が困難となった.さらに,年度末の学会出張時に研究に関する情報交換を行うため,この学会出張費用に充てる予定であったが,本人より次年度に使用したいと申し出があった. 平成26年度は,20歳台後半以上の年齢を対象としてもデータ収集を開始する.これに際しての情報交換やデータ採取に協力いただくための費用とする.
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Research Products
(8 results)