2014 Fiscal Year Research-status Report
脳性麻痺児の日常生活スキルの発達過程の層別化と詳細分析
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25350660
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
近藤 和泉 独立行政法人国立長寿医療研究センター, 機能回復診療部, 部長 (50215448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 圭司 独立行政法人国立成育医療研究センター, リハビリテーション科, 医長 (10376717)
高橋 秀寿 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50206835)
中 徹 群馬パース大学, 保健科学部, 教授 (50278975)
小野木 啓子 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (50288479)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 脳性麻痺 / 機能的スキル / 発達過程 / 層別化 / データベース構築 / ゴール設定 / エフォートレスな訓練 / 家庭療育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、1)保有する337名分のデータベースに、新たに得られた268名分のデータを統合、2)統合前の旧データと新データの背景情報の比較、3) 統合データと健常児を元に算出されているPEDIオリジナルデータの比較検討、4)国内14施設におけるデータ収集を行った。 1)データ統合作業:旧データに昨年度得られた新データを統合し、総計605名分のデータに対して、Rasch分析をWinsteps ver.3.62.1 (Linacure JM, Wimsteps Com) 使って行い、セルフケア、移動および社会的機能の各領域の183項目の尺度化スコアを算出した。 2)統合前の旧データと新データの背景情報の比較:新データは旧データに比べて、男女比および年齢分布には統計学的な有意差は無かったが、重症度が高く、GMFCSのlevel III~Vに分布が多かった。統合の結果、全体の重症度分布は、GMFCS level 68名、II 74名、III, 128名、IV 174名、V161名となった。 3) 統合データとPEDIオリジナルデータの比較:同じ脳性麻痺児のデータを使った各項目の尺度化スコアの値の相関は、セルフケアでr=0.971, 移動でr=0.961、社会的機能でr=0.978であったのに対して、統合データとPEDIのオリジナルデータの間の相関は、セルフケアでr=0.922, 移動でr=0.799、社会的機能でr=0.888と低い相関係数となった。これは、脳性麻痺が主に運動障害を主体とする障害であり、特に移動能力において、PEDIの機能的スキルの各課題の難易度が健常児と比べて、大きく変化することを示唆している。 4) 国内14施設におけるデータ収集:現時点で23名の研究協力者から、115症例のデータを得ており、データクリーニングを行うとともに、web上での入力システムの使用感に対する、Delphi studyを行う準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の予定では、1)収集データのデータクリーニングと2)データベースへの統合および3)入力システムの使用感のDelphi調査を完了する予定であったが、一部の施設での倫理審査過程に遅れが生じたこともあったためデータ収集が進まず、年度末で予定数に達していなかったこともあって、上記の1)~3)の作業を、次年度に先送りしたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
1)2015年度収集データのデータクリーニング、2)2015年度収集データのデータベースへの統合、3)入力システムの使用感のDelphi調査、4) GMFCSの各レベル層別化した各グループに対するRasch分析、5) 同じくGMFCSの各レベル層別化した各グループに対するセルフケア、移動、社会的機能の年齢別の推移の検討と成長曲線の作成、6)以上のデータから得られる臨床情報をインセンティブにする入力促進システムの開発および7)システムの一般公開を行う予定だが、最後の一般公開に関しては、データ入力CGIの再調整が必要なため、予定完了年度以降にずれ込む可能性が高い。
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Causes of Carryover |
年度内に、本年度目標の入力数が確保できず、このためデータベースからのデータ抽出作業に要する経費が掛からなかったため、当該経費を来年度に回した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
6月中にデータ抽出作業を行い、当該経費を費消する予定である。
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