2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25350662
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
小北 麻記子 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00389694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 謙吾 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (70336254)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小児用義肢 / 先天性身体障害 / 支援 / メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
<全体について>順調な進捗であるといえる。この年度のもっとも重要な目標は試作の完成であったが、予定どおり適切な段階を経て試作に至った。材料の検討と構造については、共同研究者と連携研究者以外の企業に協力いただいた。前倒し請求を行うことになったが、進捗が順調であったことと、当初見積になかった試作に関連する費用のためであり、前向きな理由による請求であった。2月には年度のまとめと翌年度の進捗についての打合せも行い、この研究期間内になすべきことについての具体的確認と合意の形成まで行うことができた。 <主な活動の具体的内容について>5月:経産省にて、東京オリンピック、パラリンピック開催決定に伴う情報交換会に出席した。本研究についての説明を行うとともに、研究を進めるなかで気がついた点を意見するとともに、本研究の進捗のために必要な産業面での制度、支援の体制について要望し、議論を行った。6月:(代表者および共同研究者)医療用シリコンを扱う企業と打合せ開始。材料の目処がたつ。7月:産総研の研究会にて義肢普及の課題について情報収集を行う。9月:鉄道弘済会にて製作技法の助言を得る。10月:(代表者)翌年の研究発表先と想定している日本義肢装具学会に出席し、情報収集を行うとともに発表の下準備としての取材を行う。(共同研究者)兵庫リハでの筋電キャンプ(親子交流会)へ参加し調査を行う。11~1月:試作の打合せおよび翌年度評価の予備調査としてのWS。メディア設計の指針を検討する。2月:試作の目処がつき、今後の展開などについての全体打合せ。メディア設計について研究会での発表・議論を行う。 ほか、特許申請、成果品の発表方法、公開・普及の方法、関連領域への取材など、成果物に関わる多様な問題解決のための議論と情報収集も積極的に進めてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調であるため(1)でもよいと考えるが、そうしなかった理由としては、試作品についてブラッシュアップさせ、よりよくする必要を感じていることと、試作品の数を増やして評価、実験につなげるには資金の不足を感じているからである。とくに、研究が進むにつれ、ますます本研究テーマの有用性・新規性についての確信は深まっているが、そのぶん新しい研究者の助言の必要も感じた。発展的理由とはいえ、当初計画とは異なる点が生じたため(2)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り進行させる予定である。具体的にはエビデンスの獲得と成果の学会発表である。 但し、とくにエビデンスの獲得については、研究者ではなく一般の実験協力者の事情が大きく介在することと、またその協力者が身体障害の当事者とその家族であるために容易な調査ではないことから、エビデンスの獲得についての進捗は楽観はできないと考えている。そもそも先天性上肢欠損の新生児自体がたいへん少ない人数しか存在しないため、被験者が得られない可能性も高い。従って当事者自体からの取材ではなく、関連する医療従事者に取材するなど、エビデンスの獲得方法については柔軟に対応する必要があると考えている。いずれにせよ、患者に接する段階に入るため、倫理面への配慮も万全にして丁寧に進めていきたい。
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Causes of Carryover |
代表研究者、共同研究者の2名分であるが、それぞれ1万前後の額だったものであり、出張見込みなどの支出の余剰分程度である。無理な消耗品購入などよりも次年度の有効活用をするべきと考えた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査、実験、研究発表などが予定されているため、その支出に用いたい。
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Research Products
(4 results)