2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25350671
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
比嘉 広樹 琉球大学, 工学部, 准教授 (60295300)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ロボットアーム / 食事支援 / 脳波計測 / インタフェース |
Research Abstract |
本年度はモバイルアームシステムのインタフェース部の作成を中心に研究を実施した。まず市販の脳波増幅器を現有のシステムに接続し、試作アンプからの入力なしでモバイルアームを操作できるように設定した。その後、モバイルアームの制御実験を行う目的で、上下左右の4方向に灰色の三角形を配置し、それがランダムに点滅(点灯時には白色の三角形を同一座標上に表示)する視覚刺激プログラムを作成した。各4方向の三角形がランダムに点滅することを確認後、同視覚刺激を健常被験者に提示した際の事象関連電位を測定した。被験者には、1試行中に1方向の刺激が呈示されたときのみその呈示回数を数えてもらうように指示した。その結果、加算平均処理した波形において、1. P300については電極Pz、Czにおいて特に大きいピーク値が見られた、2. N100については上下方向のピーク値が左右方向よりも大きく現れた、3. 電極P3においては左方向よりも右方向のピーク値が大きく現れた、という特徴が見られた。 続いて、1試行中に4方向の視覚刺激を上下左右の順番で5ずつ数えてもらうように指示した際の事象関連電位を測定し、それらのデータを用いてニューラルネットワークによる判別率を求めた。その結果、上下左右方向における判別率はそれぞれ73.6%、58.9%、33.9%、34.5%となった。 次に、モバイルアームの手首にWebカメラを固定し、画像処理手法を用いて、ペットボトルの位置座標取得の検討を行った。その結果、数ミリ程度の誤差で位置座標の検出を行えることが明らかになった。さらにペットボトルの口の面積より、その高さ方向の情報も推定できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、上下左右の4方向の視覚刺激を提示するプログラムを作成し、その視覚刺激を提示した際の事象関連電位を計測した。そのデータを用いて、ニューラルネットワークによる判別率を求めた結果、各方向における判別率自体は不十分ではあるが、入力において4方向に分離できる可能性を示唆することができた。 また、モバイルアームの手首にWebカメラを固定し、画像処理手法を用いて、ペットボトルの位置座標取得の検討を行った結果、数ミリ程度の誤差で位置座標の検出を行えたことと、さらにペットボトルの口の面積より、その高さ方向の情報も推定できるようになったため、研究に進展が見られたと考えられるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、上下左右の4方向の視覚刺激を提示した際の事象関連電位を計測し、その時間領域において顕著に見られた特徴に着目し、ニューラルネットワークによる判別率を求めた。今後は周波数領域にも着目し、さらに有効となる特徴抽出の検討を行う。また主成分分析等の他の手法を用いて判別率の向上に関する検討を行う。良好な結果が得られた場合には、モバイルアームの制御に関する検討を進める予定である。
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