2015 Fiscal Year Annual Research Report
非経皮的骨導音を利用した食道音声支援用骨導マイクロホンの開発
Project/Area Number |
25350675
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
前田 秀彦 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 助教 (90632604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西澤 典子 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 教授 (10374266)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 福祉工学 / 発声支援機器 / 直接骨導音 / 骨導マイクロホン / 経皮骨導音 / 骨固定型補聴器 / 食道音声 / 喉頭摘出者福祉団体 |
Outline of Annual Research Achievements |
直接骨導音を利用した食道音声支援用携帯型拡声器開発のために、骨固定型補聴器(Baha:Bone anchored hearing aid)を装用した被験者を対象に、騒音環境下における直接骨導音の導出とその音響特性について調査した。音声の導出経路は、気導マイクロホン、振動ピックアップからの経皮骨導導出経路、我々が考案した骨固定型ピックアップから直接骨導導出経路の3つとした。被験者の発話課題は、単音節50語、親密度の高い単語50語とし、騒音なし、騒音負荷75 dB、騒音負荷95 dBと騒音条件を変化させ、それぞれの条件下で音声を記録した。記録された音声について、成人ボランティア被験者が聴取しそれぞれの音声の明瞭度を評価した。騒音なし時、単音節・単語の明瞭度は気導音、直接骨導音、経皮骨導音の順で直接骨導音は経皮骨導音の成績を上回ったが、気導音には及ばなかった。75 dBの騒音負荷時、気導音の明瞭度は単音節・単語ともに若干低下したが、直接骨導音、経皮骨導音は単音節・単語ともに明瞭度の低下はみられなかった。しかし、明瞭度の順は、騒音なし時と変化はなかった。95 dBの騒音負荷時、気導音の明瞭度は単音節・単語ともに大きく低下したが、直接骨導音、経皮骨導音ともに単音節・単語の明瞭度の低下はみられないことを明らかにした。強大な騒音下では直接骨導音の単音節・単語の明瞭度は気導音を有意に上回ることを明らかにし、単音節の明瞭度は経皮骨導音より有意に優れることを明らかにした。一方、側頭骨からの直接骨導音の導出は外科的な処置が必要なこと、骨導音声の導出に最適な部位ではなく、新しい直接骨導音の導出経路を探索した。我々は歯を経由した直接骨導音の導出方法を検討し、騒音なしの条件下において、歯から導出した直接骨導音声は側頭骨から導出した直接骨導音声よりも気導音に近似した音響特性をもつことを明らかにした。
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