2013 Fiscal Year Research-status Report
関節安定性に貢献する筋の機能的役割と制御機構の解明
Project/Area Number |
25350685
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
大山 峰生 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (10367427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相馬 俊雄 新潟医療福祉大学, 医療技術学部, 准教授 (40339974)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 方形回内筋 / 肘筋 / 筋電図 / 収縮特性 |
Research Abstract |
方形回内筋,肘筋からワイヤー電極により筋電図を導出するために,超音波画像,屍体解剖等により電極刺入部位を決定し,これらの筋の筋電図を測定するための計測システムを構築した. 方形回内筋に関する実験では,健常男性6名を対象として,右の前腕最大回内運動と最大握力によるグリップ動作時の筋電図を導出した.測定肢位は前腕最大回内,外の2肢位,手関節はそれぞれの前腕肢位での背屈30度,中間位,掌屈30度の3肢位とした.筋電図は,方形回内筋の浅頭と深頭からワイヤー電極を用いて導出した.グリップ動作の筋活動を前腕回内外肢位で比較すると,浅頭は前腕肢位間で差はなく,回内,回外肢位ともに回内最大筋活動の20~30%程度であった.一方,深頭は,回外位と比べ回内位で有意に高く,その値は回内最大筋活動と同レベルの約100%までに達し,回外位の約2倍であった.また,深頭は手関節背屈位で筋活動が高まる傾向を示した.浅頭の筋活動は前腕回内運動で最も高く,最大握力を発揮しても筋活動は低いことから,その主機能は前腕回内であると断定した.深頭は,グリップ動作,手関節背屈運動でも筋活動が高いことに加え,筋走行から判断して,遠位等尺関節の安定性に貢献する筋と考えた. 肘筋においては健常成人7名を対象として,側方へ体幹を傾斜させ倒れた時に手掌を接地させる運動課題を実施し,手掌接地前後の筋活動を検討した.筋電図は,双極ワイヤー電極を用いて導出した.肘筋の活動は接地前500msecから出現し,接地前250msecでは最大肘伸展運動時の30~50%の筋活動を認めた.接地後250msecでは,70~120%と活動はピークを示した.肘筋の活動は手掌接地前より高まり,上腕三頭筋とは異なる活動状態であったことから,転倒時に手掌を接地する前後の肘筋の活動は外反運動の筋収縮であり,動的支持機能としての役割を担っていると考えた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本実験では筋電図をワイヤー電極で導出するために電極刺入部位を正確に決定する必要があるが,対象筋が小さいために超音波画像や遺体解剖等で確認する必要が生じた.また双極性ワイヤー電極の電極間距離も調整する必要が生じた.これらの理由により,やや実験の進行が遅れた.
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Strategy for Future Research Activity |
筋電図を導出するためのワイヤー電極刺入部位は対象筋すべてにおいて決定したので,計画に挙げた課題動作で対象各筋の筋電図を順に導出し,関節安定性に関する筋機能を検討する予定である.
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Research Products
(5 results)