2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳血流計測に基づくロボットハンドの制御方法及び装置
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25350689
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
筒井 博司 大阪工業大学, 工学部, 教授 (00351453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 裕之 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (80338219)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 触覚センサ / ロボットハンド / 劣駆動制御 / 脳機能計測 / NIRS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,BMIによるロボットハンドの制御を目的とする.具体的には近赤外非侵襲脳計測装置(NIRS)による脳機能計測を用いて,軟らかな触覚を有するロボットハンドの動作信号に利用することである.このロボットハンドを実現するために,2つのアプローチを行った. 1.軟らかな触覚センサによるロボットハンドの把持制御:触覚センサは4個の空気圧センサとシリコーン樹脂からなる軟らかなキャップから構成される.キャップは4つの空間に分割されている.触覚センサの物体に押しつける力をFs,物体の重力をW,物体との摩擦係数をμとすると,物体との最大摩擦力FはF=μFsとなり,物体を滑らないように把持するためにはF>Wなる関係が必要である.評価の結果,Wが増加すると,キャップの変形により重力方向に対して上方の空気圧センサの出力が増大し,下方の空気圧センサの出力が減少する.このセンサ間の差分が摩擦力と比例し,この差分量を測定して力F(把持力)を調節することにより滑りの抑制が可能となる.この結果をロボットハンドを用いて確認した. 2.NIRS装置を用いた脳の前頭葉,側頭葉賦活状態の計測:測定装置は日立製WOT1622を用いて行った.当初計画として,側頭葉付近まで計測し,複数のタスクによる脳機能計測を行い,以下のことが判明した.測定器のチャンネル数を22chとし,側頭葉の測定を試みたが,毛髪により近赤外線の照射及び検出が妨げられ,側頭葉側の測定が不可能であった.前頭前野の測定は,いずれのタスクも賦活反応を示すが,数種のタスクの区別が可能であった.また,同種のタスクの反復は学習効果による信号強度の低下を生じた. 以上の結果より,軟らかな触覚センサを用いた滑り防止把持力制御の目処を得た.一方NIRSの応用は,当初の側頭葉までの測定が出来なかったが,前頭前野に限定してタスクの種類を選ぶことにより,さらなる研究対象としての価値がある.
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