2015 Fiscal Year Annual Research Report
ネックバンド型スマートバイオセンサによる高齢者の生活リズム分析と体調管理システム
Project/Area Number |
25350690
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
松村 雅史 大阪電気通信大学, 医療福祉工学部, 教授 (80209618)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 体調管理 / 高齢者 / 心電図 / ウエアブルデバイス / 光電脈波 / ストレス / 笑い / 嚥下 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ネックバンド型スマートバイオセンサを開発し、心電図、口腔音、光電脈波、運動を計測し、血圧、笑い、ストレス、咳、低呼吸・無呼吸などを検出する体調管理システムへと展開する点にある。最終年度の成果を以下に示す。 1)心電図SN比を向上させるために、被験者11名の頸部で誘導した心電図の周波数分析に基づいて心電図の信号帯域を抽出するフィルタを設計した。その結果、日常生活下で血圧の急変や不整脈をモニタリングすることに成功した。 2)睡眠時の口腔咽喉音により低呼吸・無呼吸を検出するネックバンド型呼吸モニタリングシステムを開発した。睡眠障害を診断する睡眠ポリソムノグラフィー検査(PSG)にて無呼吸・低呼吸と判定されたデータを対象に自動検出を行った結果、全27サンプルのうち23サンプルが検出でき、85.2%の検出率を得た。 3)介護老人施設の協力を得て、漫才、カラオケなどを活用して笑いを介入させたときのストレスや口腔機能に関するデータを収集した。笑い回数とストレスに関連するアミラーゼ活性値の長時間計測の結果、ふだんの2倍以上の笑い回数によりアミラーゼ活性値を20[kU/L]低減でき、ストレス低減に効果があることを示した。 4)口腔咽喉音をBluetoothにより情報端末に転送するワイヤレスシステムを開発した。情報端末では咳嗽検出を行い、介護者に知らせる高齢者見守りシステムを構築した。32名の高齢者(60~90歳)について92%の咳嗽検出率を得ることができ、食事時のむせが発生したときに早急に介助にいけるので安心という意見を頂いた。 以上のように、本研究課題では高齢者が日常生活下で使用可能なネックバンド型スマートバイオセンサを身につけて生体情報を収集する体調管理システムを開発し、血圧、笑い、ストレス低減度、嚥下機能、咳嗽、低呼吸・無呼吸の検出により体調管理に応用できることを明らかにした。
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Research Products
(12 results)