2015 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷者等車いす使用者の自動車運転を支援するための運転操作環境のデザイン開発
Project/Area Number |
25350695
|
Research Institution | Takarazuka University of Medical and Health Care |
Principal Investigator |
廣瀬 浩昭 宝塚医療大学, 保健医療学部, 教授 (90534438)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 宏史 大阪市立大学, 複合先端研究機構, 特別研究員 (50524716)
武田 功 宝塚医療大学, 保健医療学部, 教授 (00163402)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 脊髄損傷者 / 自動車運転 / 運転環境 / デザイン / 3次元動作解析 / 座位安定性 / 補助具 / グリップ |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、脊髄損傷者の自動車運転時座位姿勢における身体負荷の評価として、前年度で行った2次元動作解析を発展させる評価手法を用いた。新たな評価手法としては、3次元動作解析プログラムを使用して頭部加速度の3次元動作解析を行った。具体的には、時速10~40kmにおける頭部加速度の左右成分、前後成分、垂直成分について解析した。結果は、時速10~30kmでは左右のカーブで各成分に有意な差はみられなかったが、時速40kmでは左カーブと比較して右カーブの前後成分が有意に高値を示した。健常者を対象に設計された車両を一部改造した運転環境では、高速度の右カーブ走行で頭部にかかる合力がとくに高まり、運転操作上の身体負荷が高まることが明らかになった。 運転環境のデザイン開発としては、脊髄損傷者の自動車運転中に座位安定性を高めるために使用する「上体保持を支援するための補助具」と「手動装置のグリップ部分」の試作品を制作した。「上体保持を支援するための補助具」については、既製の座席シートの上に置いて使用することができ、大腿部と腰部を安定化させ上体の安定性に寄与するようデザインを行った。「手動装置のグリップ部分」については、カーブなどの上体が不安定になる走行場面では手動装置のグリップが身体を支えるためにも使用されることから、グリップを把持しやすい形状として把持能力の低い場合でも身体を支えるために有効に働くようにデザインを行った。 脊髄損傷者では四肢・体幹機能が低下するため、手動装置を用いた自動車運転操作が必要となるとともに運転時の座位安定性が低下する。今後は、「上体保持を支援するための補助具」と「手動装置のグリップ部分」の自動車運転中の効果を検証して、脊髄損傷者にとって自動車運転時の身体負荷が軽減する運転環境デザインを開発する計画である。
|