2014 Fiscal Year Research-status Report
肢体不自由児の生活・学習活動の改善に資する視線活動分析
Project/Area Number |
25350711
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
齋藤 健治 名古屋学院大学, スポーツ健康学部, 教授 (70336105)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 視線分析 / 肢体不自由児 / 眼球運動 / 生活・学習活動 / 福祉工学 / アイカメラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,眼球運動検査,文章読み,体育授業でみられるバウンドするボールの追視時の衝動性眼球運動(サッカード),および滑動性眼球運動(パスート)などを,アイカメラにより計測した. 実験参加者は,知的障害も視覚障害もともなわない脳性麻痺による肢体不自由児(比較として二分脊椎症による肢体不自由児)であった.固視,サッカード,パスートのいずれにおいても,脳性麻痺児において,不自然な眼球運動が認められた.つまり,固視のなかでの視線の不随意なズレやサッカード,指標間のサッカードにおける過度なサッカードによる視線のズレや固視の遅れ,パスートのなかでの不随意な視線のズレとサッカードの出現が特徴的に認められた.例えば,円状に動く指標をパスートする際,徐々に指標から外れ,サッカードによる戻り運動をはさんで再びパスートを開始するといった,不連続な視線運動が顕著であった.また,文章音読・黙読では,とくに音読において瞬きと不随意なサッカード,戻り運動(回数は黙読の方が多い),不安定な停留かつ長い停留(0.429±0.266s,中央値0.334s)が目立った.バウンドするボールの追視では,ボールの上下動が大きいうちはボールのパスートが不完全であり,その内訳は不随意と思えるようなサッカードや停留に近い眼球運動による不連続な視線運動であった. このような眼球運動が原因で,学習活動や運動活動にどのような影響が出ているかについて明らかになれば,それら活動の効果が上がるような環境改善やトレーニング方法の考案につながる.今後,検査対象とする実験参加者数を増やし,一方で,頭部運動の影響を考慮した視線分析法の開発や認知レベルにつながる分析方法の開発が必要となる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験環境の整備が進み,その中で,脳性麻痺による肢体不自由児の眼球運動の特徴を把握することができるようになった.また,実験参加者を増やして計測ができている.
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Strategy for Future Research Activity |
実際の授業における,眼球運動,視線活動の分析を進めなければならないが,視線目標までの距離が一定しない計測となるため,キャリブレーション距離の違いによる誤差が生じる.このような計測において,妥当なキャリブレーションとはどういうものか,あるいは補正の方法があるのか,等について検討しておかなければならない. また,計測分析された眼球運動の特徴から,脳性麻痺による肢体不自由児の生活,学習における環境改善につながる点を明らかにしていかなければならない.
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Research Products
(3 results)