2013 Fiscal Year Research-status Report
運動イメージの形成に関わる神経機構の解明と運動学習への応用
Project/Area Number |
25350712
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
和坂 俊昭 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60390697)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 運動イメージ / 運動主体感 / 身体保持感 / 脳磁図 |
Research Abstract |
ヒトが外界に対して働きかけを行うとき、運動は身体の物理的な状態の変化として観察可能である。しかし、我々は実際の身体の運動を伴わずに、運動を脳内において遂行することも可能である(運動イメージ)。この脳内における運動の遂行には、身体の動きを視覚的にイメージする方法と、筋の活動によって生じる運動感覚をイメージする方法がある。これは、視覚と体性感覚が運動の内的な遂行(運動イメージの想起)に対して重要な働きを担っていることを示す一つの根拠である。そこで本研究の目的は、運動イメージの形成に対する感覚情報の働きを解明し、効果的な運動イメージ法を確立することである。 能動的に身体を動かす時、無意識的ではあるが、その運動の実行者は自分であると感じている。この感覚は「運動主体感」と言い、実際の運動を伴わない運動イメージ時にも生じていると考えられる。運動主体感には、体性感覚や視覚のフィードバックと運動情報が時空間的に統合されることが重要である。実際の運動を行なわない場合でも、運動主体感をうまく作り出すことができれば、運動イメージの形成を促進することが出来ると考えられる。しかし、運動イメージ時には、運動に関連する感覚情報のフィードバックが存在しない。そこで、運動イメージ時に視覚や体性感覚の感覚情報を補助的に提示することで、運動イメージを促進できるのかを検討した。その結果、運動イメージに関連する視覚情報を提示したとき、運動主体感を強く感じることが明らかとなった。昨年度は、この実験に関するデータをいくつかの学会で発表し、貴重な示唆を得ることが出来た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、運動イメージに対する視覚、体性感覚情報の働きに関するデータ測定を終えている予定であったが、現在のところ予備実験を終えた段階であり、当初の計画から少し遅れている。データ計測と解析を迅速に行うことで、昨年度の遅れを取り戻し、本年度に予定していた計画に追いつく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
予備実験の結果を踏まえた上で、夏ごろまでに運動イメージ形成に関する脳活動を解明する本実験を行う予定である。実験結果は迅速に解析し、今年度の秋以降の学会で発表できるようにする。また論文執筆も同時に行い国際誌に投稿したいと考えている。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に予定していた国内打ち合わせ費用と人件費・謝金で使用しなかったため、次年度使用額として生じてしまった。 平成26年度は学会で積極的に発表し、昨年度から繰り越した旅費を計画通りに使用する予定である。また、人件費・謝金も今年度に使用する予定ある。
|
Research Products
(4 results)