2015 Fiscal Year Research-status Report
広汎性発達障害児のコミュニケーション能力に働きかけるリズム遊びの教材開発
Project/Area Number |
25350717
|
Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
茅野 理子 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (60125812)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 舞踊教育 / 知的障害教育 / リズム遊び / コミュニケーション能力 / 教材開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、引き続いて実践による検証を行うとともに、その成果を報告、活用することに努めた。ビデオ収録を動作学的に分析した結果、反応が乏しいと思われていた対象児に、小さいながらも模倣表現が見られ、主体的な動きも確認することができ、成果が検証された。 具体的な実績は以下の通りである。 1.実践の内容及び動作学的分析によるその成果を、日本体育学会第66回大会(平成27年8月)において口頭発表するとともに、『宇都宮大学教育学部教育実践紀要』創刊号(8月)、『舞踊教育学研究』第17号(10月)にまとめた。また、知的障害教育におけるダンス教材の指導実践と課題について、『宇都宮大学教育学部研究紀要第1部』第66号(平成28年3月)で報告した。 2.実践による検証は、引き続いて6歳児から12歳児まで18名を対象として2回各45分間行った(平成28年1/19,25)。計画していた継続的な実践はできなかったが、3年間計8回の実践を通して成果を確認でき、その実践内容の一部は附属特別支援学校教員による指導のもと、公開研究会において成果として報告された。 3.実践による成果をもとにして、全国女子体育研究大会(東京大会)特別支援分科会指導助言者(11月)並びに特別支援に関連する研究会講師(9月、平成28年2月)を務めることができ、また、女子体育連盟夏期講座講師(8月)として実践内容の一部を紹介した。これら研究会の研究協議等を通して、現状と課題について検討し、今後の実践へ反映させた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動作分析による成果の検証を対象者数、分析観点の面から見直し、より確実なものとする必要がある。また、附属学校教員の指導成果をもとに、これまで実践し、有効であった内容を「誰でも」指導できる教材として一般化の方策を探ること、そのために、さらに多くの指導者による指導実践を行うことが必要である。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究の発展として、附属学校教員との共同研究を推進するとともに、公立校における指導実践を依頼し、誰でも指導できる教材としての有効性を検証する。 講習会の開催などを通して普及に努める。 実践成果並びに教材例をまとめた報告書を作成する。
|
Causes of Carryover |
補助事業の目的をより精緻に達成するための研究の実施(追加実践、学会参加、論文投稿など)をするため。 教材開発したリズム遊びの一般化をめざし、以下の内容を実施するため。①講習会の開催と栃木県を中心とs他特別支援学校、公立小学校において実践を重ね、その結果を論文に投稿する。②本学教育学部附属特別支援学校並びに栃木県特別支援学校教員と共同研究を推進し、実践を通して有効であった内容を指導書としてまとめる。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
講習会開催のための運営費や共同研究に関わる必要経費並びに研究発表のための旅費等(宮崎県、岐阜県)。 指導書発行のための印刷経費とその発送費用。
|