2014 Fiscal Year Research-status Report
創作ダンスの授業の問題点とその原理的解明-協働学習のモデル領域を目指して-
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25350719
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
大橋 奈希左 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (90283043)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 創作ダンス / 指導の困難さ / 動きの共有 / 模倣 |
Outline of Annual Research Achievements |
表現運動・ダンス領域の中でも、表現・創作ダンスの指導の難しさが指摘されて久しい。このような状況の中、申請時の第一の目的は、「表現・創作ダンス」の授業の問題点を指導経験者への聞き取り調査を通して明らかにすることであった。昨年度に引き続き、本年は、N県、G県、F県の現職教員を対象に調査を行った。 昨年度、調査を分析するなかで、浮かび上がったのは、「動き」としての学習内容が不明瞭であるという指導の困難さであった。そこで、申請時第二の目的としたこの問題点の解決の方策を探る段階へと考察を進めた。本年は学習する「動き」について「模倣」という学習の仕方に焦点を当て、戦後行われるようになった「創作型」がダンス教育に導入される経緯の中で、動きの「模倣」の扱われ方がどのように変化したのかについて、その主体と対象に着目して文献考証を進めた。その考察の結果を平成26年度体育学会体育哲学領域夏期合宿研究会において発表した。現在、研究会での発表内容を雑誌「体育哲学研究」に投稿、査読中である。 また、昨年度行った指導者の「表現運動・ダンス」領域の学習経験についての調査結果とそれにもとづく考察は、実践ノートとして「舞踊教育学研究」に掲載決定済みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度も引き続いて調査も行った点、また、昨年度の調査結果をもとに、本研究の第二の目的である解決の方策の検討の段階に進めた点、研究成果の口頭発表及び学会誌等への掲載、投稿等を目標どおり行うことができた点から、上記のように判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は、一昨年及び昨年度の聞き取り調査をもとに、「表現運動・創作ダンス」の授業の困難さを問題群として把握し、その解決の方策を探っていきたい。
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Causes of Carryover |
第一の理由は、申請当初、聞き取り調査の音声データを文字データにする研究補助を予定していたが、昨年度工夫した聞き取り調査票を今年度も利用したことで、研究補助を依頼せずに実施できたことである。第二の理由は蒐集を予定していた著書等の中に現在購入できないものがあったこと、また調査データ等の保存等についても、予定したより物品費を節約できたことである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、一昨年度、昨年度の研究成果の口頭発表および学会誌投稿を中心に進めていきたい。予定した以上に、学会発表のための参加等の費用、研究成果の投稿料等としての使用ができるよう、精力的に取り組んでいきたい。
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Research Products
(2 results)