2016 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on Difficulty of Teaching Creative Dance in Physical Education Lesson
Project/Area Number |
25350719
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
大橋 奈希左 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (90283043)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 創作ダンス / 協働学習 / パフォーマンス課題 / パフォーマンス評価 / 表現するからだ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究期間の前半は、現職教員を対象とした調査にもとづき、表現・創作ダンスの指導の困難さを把握し、その解決の方策を探ってきた。調査においては、先行研究ですでに指摘されていたように、教員自身が表現運動・ダンスの授業の体験が少ないこと、「動き」としての学習内容が不明瞭であることが確認できた。そこで、研修会等において、教員自身が動きの学習、からだの学習として、この領域を体験することの重要性を主張した。 一方で、児童・生徒を対象とした表現運動・ダンス領域の授業において、どのような「からだ」を育てようとしているのかといった考察はほとんどなされてきていないことが指摘できた。そこで、最終年度は、創作ダンスのみならず、現代的なリズムのダンス、フォークダンスも視野に入れ、「この領域でどのようなからだを育てるのか」を改めて問い直そうと試みた。 特に、フォークダンスを教材化して表現へと高めていく実践を事例として取り上げ、学習者の動きの変容と学習カードの記録について考察することによって、言葉で考えたり、話し合ったりするのではない、集団活動や身体表現としての「からだの協働」の重要性を指摘した。 特に、グループ学習でひとまとまりの動きや作品を発表する場合には、どこかで折り合いをつける必要がある。その折り合いは、イメージやテーマを言葉で共有するような「動きについての考え」としてではなく、「動きにおける思考」としてからだ同士のかかわりによってなされるものであろう。考察を通して、考えることと動くことが分離していないような経験として、「からだ」の学びの可能性を探求していく必要性が示唆された。
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