2013 Fiscal Year Research-status Report
「競争―協同」「体つくり運動」の学習場面における体育カリキュラムのポリティクス
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25350722
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Research Institution | Kyoto University of Education |
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Principal Investigator |
井谷 惠子 京都教育大学, 教育学部, 教授 (80291433)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | 体育カリキュラム / ポリティクス / 競争と協同 / 体つくり運動 |
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| Research Abstract |
本研究では、カリキュラムの重層性に着目し、カリキュラム策定の背後に働く政治や経済動向などの社会状況とともに、ローカルレベルの教師の考え方や授業の内実、学習者間の相互作用などリアルな学習の現場に視点を向け、「競争―協同」「体つくり運動」のポリティクスを解明することを目的としている。
「制度化されるカリキュラム」のポリティクスに関して、現行の学習指導要領について分析を行った。体つくり運動については、地方教育委員会のローカルなポリティクスについて検証し、それらが学校や授業など「実践化されるカリキュラム」のレベルでどのように作用するのか検討した。「競争―協同」については、小学校で広く用いられる「なわとび運動」を事例に、素朴な遊びが競技化していく様相について、教材や学校参加のイベントを対象に分析をした。
これらの成果については、日本スポーツとジェンダー学会12回大会において、シンポジウム「身体活動がもたらすエンパワーメントの可能性」のパネリストとして登壇し、「体育科教育におけるカリキュラムポリティクスとジェンダー」について提案を行った。日本スポーツ教育学会第33回大会では、「競技化する運動遊びについての考察―大なわとびを事例に課題を探る―」について研究発表を行った。また、季刊セクシュアリティNo.63において、「体育カリキュラムのポリティクスとジェンダー」が論文として掲載された。
具体的なフィールドにおいて、授業レベルでの「実践化されるカリキュラム」、学習者レベルでの「経験されるカリキュラム」について調査するための準備を進めた。フィールド校の選定、及び対象校との協議を進め、学内の倫理審査の申請を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
体育カリキュラムのポリティクスに関して、これまで継続的に研究を行ってきたが、本研究の焦点である「競争―協同」「体つくり運動」という切り口からその成果を整理することが順調に進んだ。
フィールド調査に関しては、公立学校の実態を把握するというねらいに沿って選定を進めたが、様々な状況から引受先を決定するまでに時間を要した。このため、対象校の資料収集については若干の遅れがあるが、２年目から予定どおりフィールド調査を開始できる予定である。
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| Strategy for Future Research Activity |
調査対象とする小学校が決定し、対象とする学年や単元等の調整が進んでいるので、２年目には予定どおりフィールド調査を実施する。
体つくり運動については、１年目に検討を進めた地方教育委員会のローカルなポリティクスについての研究成果をまとめ、学会発表を行う。また、１年目に進めた「競技化する運動遊び」に関する研究をジェンダー視点とクロスさせた成果について学会発表を行う予定である。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、本研究課題に関して先進的に取り組んでいる海外の研究者から資料の提供と助言を受ける予定であったが、研究代表者と先方との予定が合わず、本年度の実施は見送った。また、フィールド調査に使用するデジタル機器などの選定が遅れ、次年度当初の発注となったため、次年度使用額が生じた。
次年度においては、引き続き海外の研究者との情報交換の場を模索する。フィールド調査に関しては、次年度当初から時期や対象授業などについて調整し、調査を開始する。
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