2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25350745
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Research Institution | Tokoha University Junior College |
Principal Investigator |
遠藤 知里 常葉大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (90400704)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 野外教育 / 自然体験 / 学び方 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、学びのプロセスに対する認識力に富む保育者を育成するという観点から野外教育プログラムの効果を検証し、その有用性を示すことであった。研究課題1)幼児教育と野外教育の教育方法の相似点に注目したプログラム評価法の開発:レッジョ・アプローチの方法論的検討を通して参照可能な理論の整理および関連付けを試みた。野外教育で従来重視されてきた自己・他者・環境との「関係」により生成する「可能態としての身体」を理解するために「時間的観点」を導入した評価の必要性を提示した。また、体験によって内在化されるものを知る評価方法として、ウェブマッピングとドキュメンテーション作成の有用性を示した。研究課題2)環境を通した保育の理解につながる野外教育プログラムの開発および効果の検証:保育者養成校での正課授業(90分)および正課外活動(2泊3日のキャンプ)として実践可能な野外教育プログラムを開発し、そこで得られる体験の意味をウェブ・マッピングおよび日誌法によって評価した。研究課題3)協同的な学びの理解につながる野外教育プログラムの開発および効果の検証:保育者養成校での正課授業(90分)として実践可能なプロジェクト・アプローチを応用したプログラムを開発し、プロジェクトの中で自然が取り入れられていく過程に注目し意味を考察した。成果のまとめ)体験により生成していくものを評価する方法を提示することができた。また、体験を「自己」「他者」「環境」と関係づけるものとして「時間」を導入することで、内在化された体験内容の持続性に言及することが可能となった。なお、自分自身の体験についての理解が「子どもが経験すること」に対する理解に与える意味についての検討が不十分であり、今後の課題として残った。
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