2013 Fiscal Year Research-status Report
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25350746
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukushima National College of Technology |
Principal Investigator |
湯川 崇 福島工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60289741)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 身体動作学習 / モーションキャプチャ / ユビキタス |
Research Abstract |
平成25年度は①モーションキャプチャにより取得した動作データから動作学習用の師匠の動作データを作成する手法の開発、②師匠の動作データ配信用の身体動作データベースサーバの構築、③HMDに対して効果的に師匠の動作の3D-CGを提示する手法の開発、の3つの課題ついて研究開発を実施した。 ①のモーションキャプチャにより取得した動作データから動作学習用の師匠の動作データを作成する手法の開発において、学習者が効果的な動作の学習を可能とするには、学習者が装着するHMDに提示される動作学習用の師匠の3D-CGが学習者の体型に合わせて作られていることが望ましい。そのため、モーションキャプチャデータから師匠の動作データを生成する際に、学習者の身体各部の寸法に師匠の3D-CGの体型が一致するようにモーションキャプチャデータの変換を行っている。この変換を高速に実行するために、GPUを備えたワークステーション上で動作するアルゴリズムを開発した。 ②の師匠の動作データ配信用の身体動作データベースサーバの構築では、LANやインターネットなどのコンピュータネットワークを介して、学習用の師匠の動作データを配信する手法を開発し、その手法に基づいたデータベースサーバを構築した。「ユビタス稽古場」を真にユビキタスと呼べるものにするためには、光回線やWiFiなどの高速な通信回線だけではなく携帯電話の通信回線である3Gのような低速度の回線でも使用できるものにする必要がある。そのため、動作データを配信する際に、データの圧縮などの配信を高速化するための手法について検討を行った。 ③のHMDに対して効果的に師匠の動作の3D-CGを提示する手法の開発では、動作データベースサーバから送られてくる師匠の動作データを、どのようにHMDに提示すれば教育効果を向上させられるかについて検討し、その結果をもとに手法の開発を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の中心となるGPUワークステーションが早期に納入されたため、サーバの構築に速やかに取り掛かることができたこと。 UnityやVizardといった3Dコンテンツの制作を支援するためのツールを利用することで、効率的に開発を実施することができたこと。 以上のような理由から当初予定していた計画がおおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は平成25年度に引き続き(1)Kinectを用いて取得した動作データと、モーションキャプチャを用いて取得した動作データとの差異をリアルタイムで判定する手法、(2)学習者が場所や時間を気にせずに利用可能な「ユビキタス稽古場」アプリケーション、の2つの課題に重点をおいて研究開発を実施する。 (1)の2つの動作の差異を判定する手法では、HMDに描画される師匠の映像を見ながら身体動作の稽古を行っている学習者の動作をモーションセンサを用いて記録し、それをリアルタイムで師匠のモーションデータと比較することにより、動きの差異や時間的なずれを検出して学習者にフィードバックする手法の技術開発を行う。この学習者の動作データと師匠の動作データを比較する技術の開発にあたっては、手足の位置のずれと時間のずれの2つの次元で比較を行う必要がある。これを実現するには多数の行列計算をリアルタイムで実行する必要があり、GPUを用いてリアルタイムで2つの動作の差異を検出するアルゴリズムを開発する。 (2)の「ユビキタス稽古場」アプリケーションの開発では、平成25年度に研究開発した技術および(1)の要素技術を統合して、どこにでも持ち運べるような「ユビキタス稽古場」システムの開発を行う。本年度はノートパソコン上で、身体動作データベースサーバから送られてくる師匠の動作データをHMDに提示し、Kinectで記録した学習者の動作データをサーバに送信し、サーバ上で師匠と学習者の動作の比較を行い、その差異をノートパソコンにフィードバックするクライアント・サーバシステムを開発する。 本研究では、ダンス、体操、空手道等の武道の形(かた)のような幅広い用途で使用可能にするために、システムの技術開発と並行して新しい種類の動作のモーションデータの取得も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画していた打ち合わせのための出張が実施できなかったため次年度使用額が生じた。 今後速やかに実施して使用する予定である。
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