2013 Fiscal Year Research-status Report
剣道競技者の構えから打突に至る過程の神経科学的研究
Project/Area Number |
25350748
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
香田 郡秀 筑波大学, 体育系, 教授 (50186615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西平 賀昭 筑波大学, 体育系, 教授 (20156095)
八田 有洋 横浜薬科大学, 薬学部, 准教授 (20312837)
有田 祐二 筑波大学, 体育系, 准教授 (70344877)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 筋電図 / 神経科学 / 筋電図反応時間 / 剣道選手 / 事象関連電位 / Go条件 / No条件 |
Research Abstract |
目的:筋電図などの神経科学的方法を用いて筋電図反応時間は真に剣道競技者と非競技者には差が有るかどうかを明らかにすること.さらに対応して事象関連電位と呼ばれる脳電位を用いて長期的な剣道競技トレーニングは脳内感覚―運動処理系に変容を生じさせているかどうか明らかにすることである. 方法:参加者と課題内容 被検者は10年以上剣道を継続している学生10名と一般健康な大学生である. 運動課題としては視覚刺激に反応してあらかじめ決められている箇所の打撃を行う.視覚刺激の色の種類によって技が決めされており,被検者はランダムに提示される視覚刺激の種類によって提示される技を遂行し,その時の反応時間,筋収縮時間を測定する.さらに同様のパラダイムで事象関連電位を測定する. 結果と考察:打突課題の面,小手,胴打ち課題の中で 小手打ちは剣道群,一般群とも成功率は低かった.EMG-RTは選択反応時間課題,単純反応課題ともに剣道群が有意に速かった.筋放電パターンは,打突に関わりなく,剣道群は上腕二頭筋が最初に放電したが,一般群は一定の傾向を示さなかった.事象関連電位については Go条件,NoGo条件ともP300潜時には差が見られなかった.またP300電位にも差が認められなかった.これは今までの競技者を測定したデータとは一致しなかった.おそらく脳電位を誘発するのに用いた課題がたやすい課題であったため長期競技者の能力を測定することができなかったと考えられる.この点につては次年度も研究を継続したいと考えている.以上のことから剣道群では脳の運動関連領野から運動神経を駆動する時間は一般群より有意に優れていると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、筋電図を用いて剣道競技者と非競技者の筋電図反応時間に差があるかどうか実験を行い、十分なデータを得ることができた。また長期的な剣道競技者の脳内―運動処理系についても事象関連電位(P300やNOGO電位)を用いて検討を行った。今年度得られたデータは、長期的な剣道競技者の運動神経系の変容を検討する次年度の研究につながるものであった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定通り、collision法を用いて長期的な剣道競技が運動神経にも変容を示すかどうか運動神経伝導速度を測定しデータを解析する。また得られたデータについては学会発表は学術雑誌において発信していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していたへの米国出張を取りやめたため。 2013年度に実施できなかった海外出張の旅費として。
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Research Products
(4 results)