2013 Fiscal Year Research-status Report
聴覚障害者の平衡機能評価と機能低下改善プログラムの開発
Project/Area Number |
25350753
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
中島 幸則 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 助教 (00439788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
及川 力 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (60213609)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 聴覚障害者 / 平衡機能 / 重心動揺 / light touch |
Research Abstract |
本研究は聴覚障害者の平衡機能の評価方法について検討するとともに、平衡機能の代償として体性感覚入力に着目し、平衡機能改善の運動プログラムの作成とその介入による効果の検証を行うことを目的とする。25年度の計画は、1.平衡機能評価の実施、2.運動能力テストの実施、3.運動プログラムの作成であった。当初の計画では被験者30名の予定であったが、1.2.については100名以上のデータを得ることができた。健常者については予定通り30名のデータが得られた。 平衡機能の評価として重心動揺検査、片足立ちテスト、ファンクショナルリーチテストを行った。3者間の相関については有意な関係はみられなかった。全データの内20名について、体性感覚入力としてのlight touch(指尖接触)の理論に基づいて重心動揺検査を行った。その結果、開眼では指尖接触の有り無しで単位軌跡長、外周面積に有意な差はみられなかったが、閉眼時には単位軌跡長、外周面積ともに有意な差がみられた。片足立ちテストについては、これまでの研究結果と同様に、閉眼において健常者よりも有意に低い値を示した。ファンクショナルリーチテストについては聴覚障害者と健常者の間に有意な差はみられなかった。運動能力テストについては、文部科学省の新体力テスト(握力・上体おこし・長座体前屈・反復横とび・立ち幅跳び・20mシャトルラン)を実施した。聴覚障害者と健常者の比較を行った結果、全ての測定項目で有意な差は見られなかった。運動プログラムの作成については、①1.2.の測定実施が予定よりも遅くなってしまったため、25年度内に開始することが出来なかったが、26年度には行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、25年度に平衡機能評価と、運動能力テストを実施し、運動プログラムを作成する予定であったが、平衡機能評価と運動能力テストの実施が予定よりも遅くなってしまったため、運動プログラムの作成はできなかった。しかしながら、十分なデータの収集ができたため、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は、25年度に実施した平衡機能評価、運動能力テストのデータを増やすとともに、データ分析を進める。また、25年度の研究成果を、学会や教育機関に情報発信していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画では、学会参加を考えていたが、業務の都合上参加出来なかったことが次年度使用額が生じた主な理由である。 26年度は、25年度に計画していた学会に参加する予定であり、主にその旅費に次年度使用額を充てる予定である。また、26年度支払支給分については、主に人件費、謝金として使用する予定である。
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