2015 Fiscal Year Annual Research Report
男女大学サッカー選手の競技力向上を図る体力トレーニングモデルの性差を探る
Project/Area Number |
25350777
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
角田 直也 国士舘大学, 体育学部, 教授 (80119081)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サッカー / 性差 / 大腿部 / 大腰筋 / 筋断面積 / 筋体積 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、男女大学生サッカー選手及び男女陸上長距離選手を対象に下肢及び股関節周囲における筋形態(筋厚、筋断面積及び筋体積)を測定し、それらと筋出力及び筋パワーとの関連性からサッカー選手の競技力向上のための性差を考慮したトレーニングモデルの作成についての知見を得ることを目的とした。 初年度は、男女サッカー選手を対象にMRI装置による筋横断画像の取得及び下肢筋において発揮された筋力及び筋パワーの測定を実施した。次年度以降、最終年度においては、男女サッカー選手に有効なトレーニングのための有用な知見を見出すために、下肢の両側を均一的にトレーニングすることが求められている、男女の陸上長距離選手を対照群と位置づけ、サッカー選手と同様の測定を実施した。 本研究の成果として、男女サッカー選手における大腰筋断面積と腸腰筋筋体積において利き脚及び非利き脚の間に有意な差が認められなかったことから、サッカー選手における股関節周囲筋群の筋形態には男女ともに一側優位性が存在しないことが明らかになった。男子サッカー選手における体重当たりの等尺性膝関節伸展筋力は女子選手及び男子陸上長距離選手よりも有意に高い値を示した。一方、男子サッカー選手における体重当たりの膝屈曲筋力においては、等尺性及び等速性のすべての角速度において女子選手との間に有意な性差が認められ、男子陸上長距離選手よりも有意に高い値を示した。一方、股関節の伸展及び屈曲筋力については、体重当たりの股関節伸展筋力においては性及び競技種目による違いは目立たず、むしろ体重当たりの股関節屈曲筋力は、男子サッカー選手が最も高い値を示した。これらのことから、男子のサッカー選手は、筋形態よりも筋の機能的な側面において、股関節の屈曲動作に優れている可能性が考えられ、このことは、女子サッカー選手のトレーニングにおいて改善の可能性がある項目であるものと考えられた。
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