2014 Fiscal Year Research-status Report
運動物体に対する認知予測特性と運動制御スキルが捕捉パフォーマンス与える影響
Project/Area Number |
25350778
|
Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
竹市 勝 国士舘大学, 政経学部, 教授 (30265962)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 健之 高千穂大学, 人間科学部, 教授 (20397095)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 捕捉動作 / 認知特性 / 予測抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、①認知・予測・運動制御タスク実験および捕捉タスク実験の実施、②認知・予測運動制御と捕捉能力評価の関係についての検討であったが、当該年度は認知・予測能力の評価タスクと捕捉能力の評価タスクを実施した。 予測能力の評価タスクでは、コンピュータグラフィックスによって構築された仮想環境において、水平移動する物体を再現した。物体は、移動途中で遮蔽板の後方を移動することにより見えなくなる。遮蔽後、視覚刺激(遮蔽板の変色)を提示し、その時の位置を回答させた(統制条件)。また、同じタスクにおいて、遮蔽板の上部と下部にストライプフロー(短い縦線の列が動く)を提示し、タスクの際に外乱を与えながら、その状況において位置を回答させた(フロー条件)。タスクによって得られた予測位置の結果から各被験者の遮蔽後の物体運動速度を計算し予測能力を評価した。一方、認知能力の評価タスクでは、仮想環境において、推計移動する物体を見ながら視覚刺激を提示した時の位置を回答させ、認知した位置から運動速度を計算した。 捕捉能力評価タスクでは、飛来ボールの捕捉タスクと垂直落下ボールの捕捉タスクを実施した。これらの成功率と認知能力評価タスクと予測能力評価タスクによって得られた結果との関係について検討したが、特筆すべき関係性は見いだせなかった。次年度において、被験者数を増やし実験データを収集するとともに実験タスクを再検討し、更に実験を進める予定である。 また、運動物体の認知・予測能力における加齢の影響について検討するため、65才以上の高齢者を対象に認知予測課題を実施した。若年者では、遮蔽後の物体運動速度が実速度の38%であったのに対し、高齢者では45%と若年者よりも高い値を示した。若年者と高齢者において異なる傾向を示したことから、加齢による予測能力への影響が考えられた。次年度は、被験者数を更に増やし検討する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
運動制御実験タスクの検討に遅延が生じている。そのため、運動制御能力と認知能力および予測能力の関係について未検討である。また、捕捉実験における実験施設(体育館)の確保が授業等とバッティングすることにより、実験施設の確保が困難である。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度に運動制御実験タスクの検討し実施する。実験日程を調整し実験施設を確保する。遅延が生じている分、次年度の研究計画に影響するため、極力実験実施を急ぎたい。
|
Causes of Carryover |
3月中にも実験を行ったため、被験者謝礼の精算が当該年度の締め切りに間に合わず、次年度に繰越となった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、実験、分析、学会、投稿関連費用等に使用する予定である。 実験では、実験装置作成のための材料や備品の購入、分析に関わる費用、被験者およデータ処理の補助者への謝金に使用する。学会関連では、学会参加費、旅費として使用する。投稿関連では、投稿料、英文ネイティブチェック等の費用に使用する。
|