2014 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツによる腋窩神経障害の発生状況調査と予防のためのコーチング
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25350791
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
高梨 泰彦 中京大学, スポーツ科学部, 准教授 (60216679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 卓也 中京大学, スポーツ科学部, 教授 (60273223)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スポーツ傷害 / 肩関節障害 / 動作分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は2013年度に引き続き腋窩神経障害の発症傾向とその頻度を明らかにしようとするものである。腋窩神経障害は、最近クローズアップされているスポーツ障害であり、「投げる」、腕を使って「打つ」、道具を使って「打つ」など、肩を使ってスポーツを実施する種目において多発すると考えられる。本年度は発症頻度、発症傾向に関するフィールド調査のさらなる推進と、昨年度に実現できなかった動作分析システムに関わる機材の調整、および動作分析実現の可能性について検討する一年となった。 発症の頻度・傾向については、大学生運動部を対象に昨年度に調査をしたバレーボール、硬式野球、ハンドボール、陸上競技に加え、ソフトボール、バスケットボールを調査・測定をした。また昨年度に調査した種目についてもさらに追加調査を実施した。その結果、2014年度については以下のことが分かった。①発症率については男女差は認められなかった。②肩関節使用頻度の高い種目に発症率が高い傾向にあった。すなわち肩関節使用頻度が高いスポーツ種目では30.1%(バレー、ハンド、ソフト、野球)、肩関節使用頻度の低いスポーツ種目では20.6%(陸上、バスケットボール)であった(しかし有意な差は認められなかった。p=0.133)。なお種目別でみると、バレーボールやハンドボールに多かった。今後は肩関節使用頻度を練習時も含め、細かく数値化し比較する必要があると考えられる。 障害を起こしやすいと考えられる動作の特徴に関する動作分析については、モーションキャプチャシステムの準備を整え、予備実験を実施した。しかし動作を検討するだけの十分な測定結果は得られなかった。原因として第一に測定精度の問題、第二に腋窩神経障害を発症している被験者の発症前データの欠落があげられる。今後は腋窩神経障害を発症する頻度の高いスポーツ種目について、縦断的測定データ取得が必要であろう。
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Research Products
(1 results)