2013 Fiscal Year Research-status Report
フィジカルコンピューティングを用いたアーチェリー競技力向上への取り組み
Project/Area Number |
25350803
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Matsue National College of Technology |
Principal Investigator |
宮内 肇 松江工業高等専門学校, 電気工学科, 准教授 (70249837)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教育工学 / シミュレーション / 可視化 / トレーニング / モデル化 / 制御工学 / センサ |
Research Abstract |
アーチェリー競技は、18m、30m、50m、70m、90mの距離に設定された的を狙い、弓で矢を放つものであり、危険性を伴い、かつ安全に競技ができる広大な場所を必要とする。そのため、学校のグラウンドでは、安全面と共用性から、長距離(50m以上)の練習がほとんどできない。そこで、室内においての近射による実射とシミュレーションを併用して、長距離練習効果を狙ったシステムを開発した。矢の初速度を予めハイスピードカメラで算出しておいて、近射による実射の弓の上下の変動を加速度センサで、左右の変動をデジタルコンパスモジュールによって、リリースの瞬間のこれらの傾き角度を捉えて、競技条件や弓具条件(矢の質量)から実際の競技距離における的中位置を矢の斜方投射シミュレーションにより計算で求めた。的中位置はデザイン言語であるprocessingを用いてパソコン上の仮想の的に表示して、近射的の近くに設置したスクリーン上あるいは、サングラス型のプロジェクタ上へ投射する。センサの角度検出感度は0.5度であり、各競技距離の的内に矢を納めるための各傾き角度の許容限度は1度であることから、シミュレーションの有効性を確認した。弓の傾き角度を1度以内に保たなければならないことから、アーチェリーで重要な射形(フォーム)を固める(安定性と再現性を良くすること)効果は得られると考えられる。練習者は、大がかりな練習準備や安全性に気を使うことなく、天候に左右されない室内において、長距離練習効果が得られると考えられる。 また、今後研究予定である「射形を客観視するための弓曳童子の開発」の研究構想について、第64回電気・情報関連学会中国支部大会において発表したところ、電気学会中国支部奨励賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本的なシステムは開発できた。今後は、ハイスピードカメラで矢の実際の飛翔を解析して、矢の軌道計算をシミュレーションに反映させ、実際の的の中心付近に的中させるためには、近射用の的のどこを通過すればよいかの「的中窓」を設定して、これをめがけて練習することで、長距離練習効果があることを検討する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
5年間の継続課題である。今後は、①射形の可視化に関する研究として、モーションキャプチャやモーションセンサによってアーチェリーの射形の安定性と再現性を向上させること。②リズム同期現象の利用として、射形を構成する各関節部分を位相振動子と捉えて安定性と再現性を構築すること。③練習の安全化として、射形を客観視するための模型代射システムである「弓曳童子」の開発。④メンタルトレーニングシステムの開発として、脳波センサを用いてメンタル動揺を可視化することなどが挙げられる。
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Research Products
(6 results)