2013 Fiscal Year Research-status Report
駆動トルクに着目した車いすマラソンにおける効率的な駆動フォームに関する研究
Project/Area Number |
25350807
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo Assistive Technology Research and Design Institute |
Principal Investigator |
中村 俊哉 兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所, その他部局等, その他 (20426547)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 車いす / 障害者スポーツ |
Research Abstract |
車いすを用いた競技スポーツの1つに車いすマラソンがある。選手は記録向上を目的に練習を重ねている。車いすマラソンの記録は駆動フォームにより大きな影響を受ける。右半身と左半身に器質的・機能的差が生じていない選手では、左右差がない駆動フォームが適切と考えられるが、脊椎側湾症や「麻痺の程度が左右で差がある場合」は左右差がない駆動フォームが適しているとは必ずしもいえない。 本研究の目的は、器質的・機能的な左右差を有している選手に向けて走行時に選手が発揮しているトルクを用いて駆動フォームの評価を行うシステムの開発を行うことであり、平成25年度では、トルク計測システム、空気抵抗推定システムの開発に着手した。 トルク計測システムでは、歪みゲージを取り付ける車いすマラソン用ホイールの購入に約8ヶ月もの時間を要したため、計測システム自体は完成には至らなかったが、歪みゲージやアンプ、データロガ-など計測システムを構築する部品を購入し各部品の動作確認を行った。ホイールは平成26年3月に納品されており、平成26年度8月を目処にトルク計測システムの構築を行う予定である。 空気抵抗推定システムは、ホイールから計測されるトルクから求めたパワーと相対風速から車いすの空気抵抗を推定する。そのため、実走時の相対的風速を計測する装置を購入し、相対的風速が計測できることを確認した。また、ローラー台での練習時用に、前面に設置したカメラで撮影した画像から前面投影面積を推定するプログラムを作成した。ただし、静止画像が対象であるため、今後、動画像をリアルタイムで推定できるように改良する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、車いすのホイールにセンサを取り付けることで走行時のトルクの計測を行う。ホイールの形状や質量は、選手が発揮できる駆動トルクに多大な影響を及ぼすと考えられるため、選手が常用しているホイールにセンサを取り付ける必要がある。しかし、ホイールにセンサを取り付けるには、ホイールに不可逆的な加工を行う必要があり、選手が所持しているホイールを研究のために借用することはできない。そのため、選手が使用しているホイールと同じものを研究用に購入する必要があったが、海外メーカーのホイールであったため、見積もり依頼から納品まで約8ヶ月もの時間を要した。これにより、ホイールにセンサを取り付ける加工が年度内に終了しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ホイールの購入が遅れたため平成25年度に実現できなかったトルク計測システムの構築を隣接している兵庫県立障害者スポーツ交流館の体育指導員や選手の意見を取り入れながら平成26年度8月までに行う。また、実際の計測内容の選定やその結果の解釈は、体育指導員や選手の意見を工学用語に置き換えながら行う。これにより、選手が受け入れやすい駆動フォームの評価システムの構築を図る
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ホイールの納品が遅れており、ホイールとの現物合わせが必要となるため、ホイールと歪みゲージをセンサとするトルク計測計の取り付けに要する材料の購入を控えたため、繰り越しが生じた。 トルク計測計の取り付けに要する材料を購入し平成26年度8月までに行うトルク計測システムの構築する。
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