2013 Fiscal Year Research-status Report
新規ペプチドダイアリシス法を応用した身体運動による生物時計調節メカニズムの解明
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25350808
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山仲 勇二郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20528343)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サーカディアンリズム / 視交叉上核 / マウス / ペプチドダイアリシス / アルギニンバゾプレッシン / in vivo |
Research Abstract |
平成25年度は、マウス視交叉上核を対象としたペプチドダイアリシスシテムを確立し、視交叉上核からアルギニンバゾプレッシン(AVP)や血管作動性腸管ポリペプチド(VIP)といった神経ペプチドのリズムを測定することを目標に以下の実験を行った。 ① 行動リズム測定実験 脳定位固定装置を使用し、視交叉上核付近にダイアリスプローブを挿入したマウスの自発行動リズムを24時間の明暗周期環境および恒常暗環境下で測定した。その結果、プローブ挿入下においても明瞭な同調リズムおよびフリーランリズムが観察された。また、恒常暗条件下で主観的暗期前半の光パルスにより行動リズムの位相変化がみられることを確認した。 ② マウス視交叉上核からのAVP放出リズムの測定 視交叉上核付近にダイアリシスプローブを挿入したマウスを用意し、12時館明期、12時間暗期の24時間明暗周期環境下で72時間にわたってダイアイリシスサンプルを回収した。回収したダイアリシスサンプル中のAVP濃度をラジオイムノアッセイ法により定量した。その結果、ダイアイリシスサンプルから主観的明期に高くなる24時間リズムが観察された。しかし、プローブが視交叉上核外に挿入された個体ではAVPの変化は認められず、低いレベルであった。 平成25年度の実験から、ペプチドダイアリシスシステムを使用し、視交叉上核の産生する神経ペプチドであるAVPのリズムを測定できる可能性が示唆された。しかし、当初の研究目的であった複数のペプチドリズムを測定するにはダイアリシスサンプルの回収条件、ラジオイムノアッセイの条件等を最適化する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験に使用するペプチドダイアリシスシステムを精査するデモ実験に多くの時間が費やされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に従い、行動リズムと神経ペプチドリズムの同時測定系を確立をめざす。課題となった複数の神経ペプチドを同一サンプルから測定できる実験条件を確立するため、ダイアシスの条件を再検討する実験を行う。具体的には、実験に使用するプローブを定量したAVP、VIP溶液にいれてローラーポンプを使用して回収し、AVP、VIPの回収率を検討する in vitro 実験を行う。その際、灌流速度をふり現在の1μl/minから段階的、(2μl/min→4μl/min)に増やした際に回収できるペプチド濃度を確認する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定であったペプチドダイアリシスシステム(1式180万円)の精査に時間をかけたことで、平成25年度中に購入することができなかったため次年度使用額が生じた。 購入予定であったペプチドダイアリシスシテムを平成26年度に購入する
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