2014 Fiscal Year Research-status Report
新規ペプチドダイアリシス法を応用した身体運動による生物時計調節メカニズムの解明
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25350808
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山仲 勇二郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20528343)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | サーカディアンリズム / 脳ペプチドダイアリシス / 生物時計 / アルギニンバゾプレッシン / 行動リズム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、哺乳類の生物時計中枢である視交叉上核内で合成され細胞外へ放出される液性出力因子と行動リズムを高分子ペプチドダイアリシス法を用いて無麻酔・無拘束条件下で同時測定するシステムを立ち上げ、運動の視交叉上核に対する作用機序を個体レベルで明らかにすることを目標とし実験を進めている。平成26年度は、脳ペプチドダイアリシスシステムおよび行動リズム測定システムを導入すると共に、実験条件の最適化を目標に以下の実験を行った。まず、ダイアリシスプローブのペプチド回収率を検証するため、ダイアリシスプローブを定量したペプチド(アルギニンバゾプレッシン:AVP)溶液中に浸し、潅流速度を1μl/min~5μl/minまで変化させ、ペプチド回収率を計算した。その際、AVP溶液を室温あるいは恒温槽で37℃に設定した。その結果、AVPの回収率は1~4μl/minの間では30~34%、5μl/minでは24%(37℃)であった。また、有意な差は認められなかったが室温に比較して37℃では回収率は高くなった。そして、回収率が最も高かった2μl/minを本実験での潅流速度に決定した。ダイアリシスサンプルと行動リズムの同時測定が可能かを検討するため、ダイアリシスプローブを視床下部視交叉上核付近に挿入したマウスを用意し、2μl/minでダイアシリスサンプルの回収と同時に行動リズムを赤外線センサーを用いて測定した。その結果、0.15%リンゲルBSA溶液を2μl/minで潅流させた際には行動リズムがみられなかったが、BSA濃度を0.1%に低下させることで行動リズムの測定が可能となった。最適化した実験条件に従い、明暗条件下および恒常暗条件下での視交叉上核液性出力因子と行動リズムを同時に測定する実験を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験条件の最適化に多くの時間を費やしたため、当初予定していた実験を開始するのが遅れてしまった。また、本システムは1台しかなく、同時に複数の実験を進めることができない。
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Strategy for Future Research Activity |
実験条件が定まったので、平成27年度は交付申請時の実験計画に従い順次実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
当初予定していた実験回数に至らなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ダイアリシス実験関連の消耗品購入に使用する予定である
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Research Products
(3 results)