2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規ペプチドダイアリシス法を応用した身体運動による生物時計調節メカニズムの解明
Project/Area Number |
25350808
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山仲 勇二郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20528343)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | マイクロダイアリシス / 行動リズム / アルギニンバゾプレッシン / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
明暗周期環境および恒常暗条件下での行動リズムとSCNアルギニンバゾプレッシン(AVP)の同時計測に挑戦した。実験には、4ヶ月齢の雄性成獣マウス(C57BL6/JJcl)を使用した。実験開始時にマウスは、イソフルラン麻酔下で脳定位固定装置を用いて、ガイドカニューレを挿入する手術を行い、実験開始まではダミープローブを挿入して飼育した。挿入位置は、ダイアイリシスプローブ先端がガイドカニューレより1㎜露出することを考慮し、SCNの1mm上部を目標とした。実験開始時、ダイアリシスプローブを挿入し、人工脳脊髄液(ACSF)を1μl/minの流速で潅流し、フラクションコレクタにより1時間おきにサンプルを回収した。マウスは12時間明期、12時間暗暗の24時間明暗周期下で2-4日間飼育した後、恒常暗に移行しさらに2-4日間飼育した。実験終了後、プローブ挿入位置を確認するため還流固定を行い、後日クリオスタットで50μmごとに冠状断スライスを作成し、CB染色によりプローブ位置を確認した。サンプル中のAVP濃度は、RIA法により定量した。本研究では、SCN付近にプローブが接していたかに関わらずAVP濃度は安定せず、濃度の急な上昇(低下)がみられ、明瞭な24時間リズムは検出されなかった。この結果について、プローブがSCNに比較して大きいためにSCNの物理的な損傷やACSF還流時のプッシュ側とプル側が常に均一化されていないことがAVPに影響したのかもしれない。そこで、プローブ膜サイズが小さくプッシュのみで回収が可能なマイクロダイアリシス用プローブ(直径0.4mm)に変更し、現在AVPリズムの検出が可能かを検討する実験を進めている。本研究では研究期間全体を通じて、当初の計画に対し研究を十分に進めることができなかったが、今後、測定条件を最適化することによりin vivo 条件下での行動、摂食、代謝リズムと脳内に複数存在する神経ペプチドとの関連性を検証していくことが可能になると期待している。
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Research Products
(7 results)