2013 Fiscal Year Research-status Report
スポーツ選手における腰部器質的変化、腰痛および遺伝子多型の関連性
Project/Area Number |
25350826
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
平沼 憲治 日本体育大学, 体育学部, 教授 (30434153)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 椎間板変性 / 遺伝子 |
Research Abstract |
我々はこれまで大学競技スポーツ選手の腰椎椎間板変性に着目し、腰痛との関係や遺伝子多型の影響を報告してきた。しかし各競技スポーツ別にみると必ずしも椎間板変性が腰痛の発生因子になるとは限らず、各競技スポーツ別に腰痛の発生因子を明らかにする必要がある。そこで本研究では、各競技スポーツ選手におけると腰部器質的変化(椎間板変性を含む)の発生割合を明らかにし、腰痛との関連性、さらには腰部器質的変化と遺伝子多型の関連性を検討することを目的としている。 本年度は100名を超える大学男子陸上競技選手のMRI撮像、質問紙による腰痛の評価、および唾液の採取を行った。MR画像を用いて専門医により椎間板変性の評価を行った。先行研究では陸上競技選手の椎間板変性の発生割合は少ないことが報告されているが、本研究で調査した大学陸上競技選手においても、我々がこれまで報告してきた他の競技スポーツ選手に比べ少ないことが確認できた。しかしながら陸上競技はトラック競技、跳躍競技、投擲競技など専門種目が多岐にわたり、同一のコホートで解析するには限界があることから、本研究ではトラック競技に着目し、短距離、中距離、長距離に分類し検討を行った。その結果、トラック競技の中では、短距離選手に椎間板変性の発生が多かったのに比べ、中距離、長距離選手においては椎間板変性を有している選手が極端に少ないことがわかった。以上の結果、トラック競技選手の椎間板変性の発生割合は、他の競技スポーツに比べ少ないこと、特に中距離、長距離選手の椎間板変性が少ないと結論した。本研究の目的である椎間板変性と腰痛の関連性、および遺伝子多型の影響については、現在解析を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はできる限り多くの競技スポーツ選手のデータ収集を行い、解析を進める予定であったが陸上競技選手のみの測定となった。その主な理由として他の競技スポーツ選手に実験協力を依頼し同意は得ているものの、所属チームとの日程調整が難しかったことが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
既に内諾を得ている競技スポーツ選手を適宜調査し、椎間板変性と腰痛、さらには遺伝子多型の影響について解析をしていく予定である。また現在検討中である陸上競技選手の結果については、解析終了後、速やかに関連学会および学術論文として公開を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
競技スポーツ選手(男子サッカー部)に実験協力を依頼し同意は得ているものの、所属チームとの日程調整が難しかったことが挙げられる。そのため被験者謝金を次年度に使用することとした。 今年度は、昨年度予定していたサッカー選手を5~7月で測定を行う予定である。
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