2015 Fiscal Year Annual Research Report
スポーツ選手における腰部器質的変化、腰痛および遺伝子多型の関連性
Project/Area Number |
25350826
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Research Institution | Nippon Sport Science University |
Principal Investigator |
平沼 憲治 日本体育大学, 保健医療学部, 教授 (30434153)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 椎間板変性 / 発生因子 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまで大学競技スポーツ選手の椎間板変性に着目し、腰痛との関連性や遺伝子多型の影響を報告してきた。本年度は昨年度報告した陸上短距離選手48名における椎間板変性の発生因子を明らかにするため、体幹筋断面積との関連性を検討した。その結果、椎間板変性を有する対象者8名の特徴として、腹斜筋および腰方形筋が大きいことが明らかになった。先行研究では体幹筋断面積と腰痛の関連性が報告されており、本研究の結果は将来的に腰痛の発生因子の解明に貢献できるのではないかと考えている。また本年度は、これまでの陸上競技選手、サッカー選手に続き、バスケットボール選手およびレスリング選手のデータ収集を行った。大学男子バスケットボール選手41名のMRI撮像および椎間板変性の評価を行った結果、先行研究に比べ椎間板変性の発生割合は36.6%と低かったが、報告されている健常成人の発生割合に比べ高いことが明らかになった。合わせて椎間板変性を有するバスケボール選手は高身長(180.3±6.3 vs 174.7±5.2cm, p<.01)、過体重(74.7±9.6 vs 68.6±7.3kg, p<.05)といった身体特性を有していることを明らかにした。さらに大学男子レスリング選手123名のMRI撮像および椎間板変性の評価を行った結果、椎間板変性の発生割合は43.9%であり、先行研究と同様に高いことが明らかになった。そこで椎間板ヘルニアの原因遺伝子であるCOL11A1遺伝子多型との関連性を検討したところ、COL11A1遺伝子多型の頻度はCC:54.0% 、CT:57.0 % 、TT:12.0 %であった。またT allele頻度は32.9%であった。統計解析の結果、過去に我々が報告した他の競技スポーツ(体操競技)の結果と同様に関連性を認めなかった。本研究では、各競技スポーツによりその発生因子は異なっていることが明らかになった。その結果については関連学会や学術論文として公開を予定している。
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[Presentation] Magnetic Resonance Imaiging Future of The Trunk Muscle in Male Collegiate Sprinter with Lumber Disk Degeneration.2016
Author(s)
Tahara,Y,Nakazato,K,Koyama,K,Ishii,T,Mizuno,M,Beppu,K,Hiranuma,K
Organizer
EUROPIAN COLLEGE of SPORT SCIENCE.
Place of Presentation
Austria,Vienna
Year and Date
2016-07-06 – 2016-07-09
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