2013 Fiscal Year Research-status Report
ハムストリングス構成筋の機能的差異の解明:関節角度、収縮様式、収縮速度に着目して
Project/Area Number |
25350827
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柳澤 修 早稲田大学, スポーツ科学学術院, その他 (50371159)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ハムストリングス / MRI / 機能 / 膝関節屈曲運動 / 股関節伸展運動 / パフォーマンス |
Research Abstract |
本研究は、膝関節角度の異なる股関節伸展運動ならびに股関節角度の異なる膝関節屈曲運動におけるハムストリングス構成筋(大腿二頭筋長頭・短頭、半腱様筋、半膜様筋)の動員パターンを評価することを目的とした。加えて、膝関節角度が股関節伸展運動のパフォーマンスに及ぼす影響、ならびに股関節角度が膝関節屈曲運動のパフォーマンスに及ぼす影響を検証することを目的とした。男性7名が等速性筋力装置を用いて、股関節伸展運動ならびに膝関節屈曲運動を行った(角速度180度/秒、反復回数30回)。なお、股関節伸展運動は膝関節0度位ならびに90度位で、そして膝関節屈曲運動は股関節0度位ならびに90度位で行った。各運動の前後で大腿部のMRI撮像を実施し、ハムストリングス構成筋のT2値を算出した。加えて、各運動条件における総仕事量と平均パワーを算出した。膝関節0度位の股関節伸展運動は、大腿二頭筋長頭、半腱様筋、ならびに半膜様筋のT2値を有意に上昇させた(P<0.05)。一方、膝関節90度位での股関節伸展運動は、ハムストリングス構成筋の有意なT2値の上昇をもたらさなかった。膝関節屈曲運動は、股関節0度位ならびに90度位共に、ハムストリングス構成筋の有意なT2値の上昇を引き起こした(P<0.01)。なお、股関節0度位と90度位共に、半腱様筋の上昇率が最も高かった(P<0.05)。運動パフォーマンスにおいて、股関節90度位の膝関節屈曲運動は、股関節0度位での実施に比べて、有意に高い総仕事量と平均パワーを示した(P<0.05)。ハムストリングス構成筋は股関節伸展動作よりも膝関節屈曲動作に深く関与することが示唆された。とりわけ、半腱様筋は股関節の角度に関わらず、膝関節の屈曲動作に大きく関わることが明らかになった。また、股関節を屈曲させることで、膝関節屈曲運動のパフォーマンスが高まることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はほぼ計画通りに実験を実施することができたが、筋力測定器材の関係で、運動条件の変更を余儀なくされた。しかしながら、研究の目的から大きくそれることはなかったので、実施した研究方法には概ね満足している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は各筋の機能をより深く検証するために、筋の収縮様式を変えた運動条件で、ハムストリングス構成筋における機能分担の解明をさらに深く追求していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験に使用した筋力測定器の構造の関係で、筋電図測定がうまく行えなかった。したがって、購入予定であった筋電図測定システムの購入が滞った。また、海外出張に行く予定であったが、業務の関係で出張することができなかった。 運動を実施する機材やその条件を変えることで、筋電図測定を可能にし(すでに予備測定の結果からその可能性は大)、筋電図測定システムを購入する運びとしたい。
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