2014 Fiscal Year Research-status Report
血中脂肪酸濃度を利用した新しい2型糖尿病診療の試行とその有効性の検証
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25350836
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
矢藤 繁 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50451703)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 内臓脂肪蓄積 / 異所性脂肪蓄積 / 脂肪肝 / 2型糖尿病 / 脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
2型糖尿病患者の血中脂肪酸濃度(24種類)を測定すると、脂肪肝を指摘されていない症例ではパルミトレイン酸/パルミチン酸濃度比が内臓脂肪面積と強い相関を認める一方で、脂肪肝を認める症例では相関関係が弱くなり、パルミトレイン酸濃度自体と内臓脂肪面積の相関関係が強くなった。脂肪肝合併2型糖尿病患者に限ってフィブロスキャンで測定した肝脂肪量との関係を検討すると、パルミトレイン酸濃度、パルミトレイン酸/パルミチン酸濃度比、ベヘニン酸/アラキジン酸濃度比との相関関係を認めた。 内因性の長鎖脂肪酸合成経路においてパルミチン酸はステアリン酸になるのがメインの経路である。脂肪蓄積状態では、本来は小さな側副路であるはずのパルミチン酸からパルミトレイン酸への流れが増えている様に見える。 現在、2型糖尿病を含む生活習慣病患者20名について、血中脂肪酸分画を経時的に測定し、インピーダンス法を用いた体組成、各種血液データ(血糖値、HbA1c、脂質、コリンエステラーゼなど)との関係に検討していく予定である。体組成をみると1~2ヶ月毎の受診の間で、体脂肪量や筋肉量の変化が予想していたより大きいこと(0.5~1.0kg程度の変化)がわかった。変化のある症例のほとんどは食事や運動などの生活習慣に何らかの変化(がんばって運動をした、冬寒くて外にでなかった、お正月で食べ過ぎたなど)があった。 血中脂肪酸濃度から導かれる脂肪蓄積マーカーとの関係を今後検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
外来での研究の症例エントリーは順調に増えている。 データ収集も順調に行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
高精度体組成計で測定した筋肉量・脂肪量(上肢・下肢・体幹の部位別でも測定可能)が1~2ヶ月のスパンでも変化することが判明したので、脂肪酸濃度と体組成の関係について特に注目して行く予定である。食事や運動習慣を見ていると、季節の要因(秋は果物摂取が多い、冬は運動が少ない、春は運動をしようとする、など)がはっきりしている症例が多いので、1年目のデータを元に2年目は事前に生活習慣指導をすることを考えている。
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Research Products
(1 results)