2013 Fiscal Year Research-status Report
摂食障害予防におけるマインドフルネスストレス低減法の応用についての検討
Project/Area Number |
25350838
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
花澤 寿 千葉大学, 教育学部, 教授 (50238044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 純 千葉大学, 教育学部, 教授 (30252886)
野崎 とも子 千葉大学, 教育学部, 助教 (80125947)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 摂食障害 / 予防教育 / マインドフルネス |
Research Abstract |
1.マインドフルネスプログラムの作成と実施 身体感覚への気づき、ボディースキャン、呼吸への気づきを取り入れた10分間のマインドフルネス瞑想を中心としたプログラムを作成し約1週間間隔で全4回に渡り実施した。対象者は8名、全員女性。平均年齢20.9歳。内容は以下の通りである。第1回:マインドフルネス概念の説明と、マインドフルネス体験(①今に気づく ②身体感覚に気づく ③呼吸に気づく)、マインドフルネス瞑想10分。第2回:ボディースキャンと日常生活におけるマインドフルネス、10分間瞑想。 第3回:「マインドフルに味わうこと」についての心理教育、10分間瞑想。 第4回:全体の振り返りと10分間瞑想 ホームワークとして、1日1回の10分間瞑想とマインドフルな日常動作、マインドフルに味わうことを心がけることを課した。 事前、事後評価として、①質問紙法検査:日本版EDI、Five Facet Mindfulness Questionnaire日本語版、POMS ②生理学的検査:唾液中のストレス関連物質の測定 を行った。また、10分間瞑想のリラクゼーション効果の確認のため、脳波検査(前頭部2ch.)を行った。 2.結果の評価 ①質問紙法 SPSSを用い、t検定を行った。EDI:総得点平均は54.63から39.00と低下したが有意水準には達しなかった。下位項目では、「対人不信」で有意な減少(p<0.05)が見られた。FFMQ:5つの下位項目の内、observing と nonreactにおいて有意な減少(p<0.05)が見られた。POMS:有意な変化は見られなかった。 ②唾液分析 ストレス関連物質の平均値の有意な減少が認められた。③脳波検査:10分間瞑想中の脳波において、β波の減少とα波の増加が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マインドフルネスプログラムの作成と実施、実施前後の質問紙法による評価、脳波によるマインドフルネスプログラムのリラクゼーション効果の確認等、初年度に予定した内容は、ほぼ予定通り実施し、結果の解析も進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度に作成し実施したマインドフルネスプログラムは、リラクゼーション効果は確認できたものの、摂食障害傾向の改善という点では実施前の予想を下回るものであった。今後は、マインドフルネススコアの下位項目、摂食障害傾向(EDIによる)の下位項目の変化を詳細に検討し、より摂食障害の予防に寄与すると考えられるマインドフルネスプログラムを作成するとともに、効果の評価法も再検討し、効果を検証する。具体的には、26年8月までに前年度プログラムの結果のより詳細な検討と改訂版プログラムを作成し、9月以降実施する。
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