2014 Fiscal Year Research-status Report
摂食障害予防におけるマインドフルネスストレス低減法の応用についての検討
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25350838
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
花澤 寿 千葉大学, 教育学部, 教授 (50238044)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 純 千葉大学, 教育学部, 教授 (30252886)
野崎 とも子 千葉大学, 教育学部, 助教 (80125947)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 摂食障害 / 予防教育 / マインドフルネス |
Outline of Annual Research Achievements |
1.マインドフルネスプログラムの実施 昨年度作成した10分間プログラムを被験者に教示し、約1週間隔で6回に渡り実施した。対象者は10名。全員女性。平均年齢20.9歳。昨年度からの変更点として、6回中2回に食の瞑想、1回に歩く瞑想を取り入れた。ホームワークの実施率を高めるため、メールにより毎日プログラムの実施を呼びかけた。 事前、事後評価として、質問紙法検査:日本版EDI、Five Facet Mindfulness Questionaira日本語版(FFMQ)、POMS を行った。また、1回のマインドフルネスプログラムによるストレス軽減効果の判定を目的に、プログラム実施前後における唾液コルチゾールおよびアミラーゼ濃度測定、脳波検査(前頭部2ch)を行った。瞑想中の前頭葉機能の変化を測定する目的でNIRS(Near Infra-Red Spectoroscopy)による脳機能測定を行った。 2.結果の評価 ①質問紙法 EDI:総得点平均は、39.4から35.7に低下したが有意水準には達しなかった。下位項目では、「やせ願望」で有意な低下(p<0.01)が見られた。「過食」も平均値2.10から1.30と低下したが、有意水準には達しなかった。EDIは、対象10名中8名が低下、1名が微増(64→67)で、1名のみ46→56と大きく増加しており、参考としてこの1名を除いて分析したところ合計点、「やせ願望」、「過食」において有意な低下が見られた(p<0.05) FFMQ:5つの下位項目の内、observingのみにおいて有意な低下(p<0.05)が見られた。POMS:有意な変化は見られなかった。②唾液検査:コルチゾールに低下が見られたが有意水準には達しなかった。 ③脳波検査:10分間瞑想中の脳波において、α波の増加が見られた。④脳NIRS:瞑想中の脳血流変化に一定の傾向は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度実施したプログラムの結果の評価をもとに、全体のプログラム及び実施方向に変更を加え、予定していた質問紙法および生理学的評価もほぼ順調に実施し、結果の解析も進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で、マインドフルネスプログラムがある程度摂食障害傾向の改善に寄与しうると判断できる結果は得られたが、対象数が少なく、予備的結果に留まっている。またホームワークの実施率が低いことも問題としてあげられた。今後は、摂食障害傾向への予防教育という本研究の目的に添って、学級単位での実施も可能なプログラム作成を目指し、対象数を増やしてプログラムを実施し、有効性を評価する。
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Research Products
(1 results)