2013 Fiscal Year Research-status Report
思春期前・思春期における体型認識の歪みと生活習慣に関するコホート研究
Project/Area Number |
25350854
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
白澤 貴子 昭和大学, 医学部, 助教 (80365759)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 体型認識の歪み / 生活習慣 / 小児 |
Research Abstract |
やせ志向によって太っていなくても自分の体型を太っているとするなどの体型認識の歪みが、子どもの生活習慣に影響を及ぼす可能性が考えられる。しかし、これらの関連についての疫学研究は少ない。そこで、1994年から埼玉県伊奈町のすべての小学4年生および中学1年生に実施されている小児生活習慣病予防検診データのマイニングによって、思春期前・思春期の児童・生徒における体型認識の歪みと生活習慣との関連を明らかにすることを目的とした。まず、小児の体格の現状を把握するために、小児の「やせ」・「肥満」の判定基準に関する文献を収集した。我が国では文部科学省学校保健統計の「肥満度」(性別・年齢別・身長別標準体重から算出)を用いて、肥満度-20%以下を「痩身傾向児」、20%以上を「肥満傾向児」と定義していた。また、海外では身長、体重から算出したbody mass index(BMI)を用いるのが一般的で、International Obesity Task Force(IOTF)やCenters for Disease Control and Prevention(CDC)などが、それぞれ性別・年齢別のBMI基準値を設定していた。これらの判定基準に基づき、対象者(小学4年生及び中学1年生)の「やせ」の現状を比較検討した。「やせ」の割合は基準値によって異なっており、男子では2~9%、女子では2~11%であった。「肥満度」による「やせ」の判定は、BMIに基づいたIOTFの判定に比較して過小評価された。さらに、対象者の「やせ」・「肥満」の動向(1994年~2013年)について、「肥満度」を用いて判定し、全国調査と比較検討した。肥満傾向児の出現率は概ね減少傾向にあるが、痩身傾向児は、肥満傾向児の出現率よりは少ないものの毎年増加傾向にあった。以上の結果を、昭和学士会雑誌にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既存データに対するデータマイニングによる小児の「やせ」の実態、最近の小児の「やせ」・「肥満」の動向について、学会発表および論文にて報告した。さらに、現在1編は投稿中である。体型認識の歪みと生活習慣の関連についての横断的な検討は、計画より遅れ気味ではあったが、中学1年生男女についてはすでにデータの解析を終え、学会発表の準備をしており、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
体型認識の歪みと生活習慣の関連についての横断的な検討を行い、学会発表、論文作成を行う予定である。また、あわせて小学4年生時のデータと中学1年生時のデータをリンクさせ、小学4年生時の自己の体型認識の歪みがその後の体型に影響を及ぼすのか、生活習慣との交互作用についてのデータ解析を行い、縦断的に検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度、第3回国際肥満学会での発表を予定していたが、日程が合わずに参加ができなかったため。また、掲載された論文1編の雑誌発行が遅れ、掲載料の支払いが平成26年度での処理となったため。 平成26年度は、第23回日本健康教育学会学術大会(札幌)にて「中学1年生における体型認識の歪みと生活習慣との関連―性差に注目して」を学会発表し、論文作成・投稿する予定であり、学会発表のための旅費、宿泊費、英文校正代、論文掲載費として研究費を使用する計画である。
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Research Products
(2 results)