2014 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者のストレス対処能力(SOC)の実態および認知機能との関連
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25350862
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
畑山 知子 南山大学, 人文学部, 講師 (60432887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 秋三 九州大学, 基幹教育院, 教授 (80145193)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ストレス対処能力(SOC) / 高齢者 / 認知機能 / コホート |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は、昨年度実施した追跡調査からデータベースを構築するとともに、太宰府コホートのベースラインデータを用い、研究課題の1つである地域在住高齢者におけるストレス対処能力(SOC)の実態を明らかにすることを目的として解析を実施した。調査項目はSOC(13項目短縮版7件法)、属性、所得、生活習慣、外出および交流頻度、ソーシャルサポート、ファイブ・コグによる認知機能評価、老年症候群に関連する項目であり、これらの項目に不備のない638名を解析対象とした。SOCスコアの平均値は68点であり、性や年代、居住形式(独居)など属性との関連は認められなかった。健康習慣として定期的な運動習慣があることや自覚的健康度が高い群、等価所得が高い群、外出頻度や友人と会う頻度が高く、情緒的サポートを受領している群においてSOCスコアは高値であり、これらは先行研究と同様の結果であった。また、ファイブ・コグによる認知機能評価において認知機能が健常であった群のSOCスコアは高く、低栄養や尿失禁、視力低下、咀嚼・嚥下に困難を感じるなど老年症候群に関連する項目においても問題のない群でSOCスコアは高値であった。このことから、強いSOCは高齢期の健康問題にも保護的に作用している可能性が考えられた。今後、より詳細な解析を加えるとともに、追跡データの解析において、ベースライン時のSOCスコアが高い対象において2年後の認知機能の低下や低栄養などの発生が抑制されうるか検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データの解析やまとめに若干の遅れはあるものの、データベースの構築など研究全体は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画書に基づき、最終年度である来年度は,追跡調査データを用いた検討を実施し成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
予定していた学会参加が出来なくなったため、旅費に残額が生じた
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ解析を効率化するための人件費および成果発表、資料収集にかかる旅費として使用予定である
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