2014 Fiscal Year Research-status Report
在宅訪問栄養食事指導に関わる管理栄養士の実践力育成のための発展的教育プログラム
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25350869
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Research Institution | Chugoku Gakuen University |
Principal Investigator |
多田 賢代 中国学園大学, 公私立大学の部局等, 教授 (30341134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 貴代(笹川貴代) 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (10254567)
佐藤 香苗 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (40405642)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 在宅栄養支援 / 管理栄養士養成 / 高度専門職業人養成大学院 / 教育プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、管理栄養士養成課程および高度専門職業人養成大学院(修士課程)において訪問栄養食事指導の実践力を養えるよう実践教育プログラムを構築することを目指しており、そのための現状把握、教育目標の明確化や教育法の検討を目的として平成25年度に実施した二つの調査(観察学習と体験学習の効果についての検討、在宅支援の現任者である介護支援専門員等他職種および管理栄養士に対する在宅訪問栄養食事指導に関する調査)について、H26年度はその分析・検討および社会への情報発信を行った。 また、教育目標達成評価に専門臨床試験OSCE(Objective Structured Clinical Examination)を取り入れ、在宅栄養食事指導OSCEを開発・実施するために、管理栄養士養成校でOSCEを手がけている大学教員等との情報共有を図る「高度専門職としての管理栄養士教育を考える会」を立ち上げ、第61回日本栄養改善学会学術総会研究自由集会を開催した。自由集会では、大学の取り組みを6演題、大学院の取り組みを2演題設定し、参加者40人が得られ、盛況かつ活発な集会にすることができた。 さらに、OSCEや模擬指導演習において重要な役割を果たす模擬患者(Simulated Patient;SP)の育成団体である岡山県SP研究会のセミナーにおいて、本研究における調査結果の一部を発表し、SPの協力理解が得られるよう尽力した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
訪問栄養食事指導における実践力育成にむけた実践教育プログラムの開発とその構築を目指す上での前段階となる現状把握、教育目標の明確化や教育法の検討のための調査を実施し、実践教育プログラム開発に向けての方向性を見出すことができた。 また、実践教育プログラム構築のためには、管理栄養士養成課程および高度専門職業人養成大学院の教員と連携し情報を共有していくこと、OSCEや模擬指導演習において重要な役割を果たす模擬患者の協力などが大変重要なポイントとなるが、研究自由集会の開催など取り組み、その下地をつくることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究結果より、模擬体験学習(模擬指導演習)を通して学生自身が問題を捉え、その問題を解決していくことにより、在宅訪問栄養食事指導において必要とされる態度や技能を修得することが可能であると推察できたことから、ロールプレイ演習やSP演習を実施し、その後学生自身が修得度を客観的に評価し認識するためにOSCEを実施する、といった教育プログラムを開発する。そのために、平成27年度は、ロールプレイ演習やSP演習の進め方について検討し、シナリオ作成を行い、授業においてロールプレイ演習やSP演習を実施し、その効果について評価する。 開発したロールプレイ演習やSP演習、今後の展開としてのOSCEについて意見収集を行うため、平成27年度も日本栄養改善学会研究自由集会を開催する予定である。さらに、日本栄養学教育学会にて「栄養士養成課程において在宅栄養支援教育をいかに進めるか」と題してラウンドテーブル方式による発表を行い、在宅栄養支援教育に関して議論を深める予定である。 そして次の段階として、在宅栄養支援に関するロールプレイ演習およびSP演習を通して修得した実践力を学生自身が客観的に評価できるようにOSCEの開発を行い、在宅療養支援を担える管理栄養士を育成するための教育プログラムの構築へと繋げ、実践教育の充実に貢献する。 また、研究成果の発表の一つとして、平成28年度に開催される17th International Congress of Dietetics(ICD2016)において発表し、国内外に発信する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は、平成25年度からの残額が継続されたものであり、また平成27年3月25日~3月28日に研究の中間総括と次年度研究計画のために研究グループ会議を開いたが、年度末であったため、研究分担者招聘のための旅費を平成27年度に入ってから支出したため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
在宅栄養支援に関するSP演習を実施する予定であり、岡山SP研究会への演習協力委託費として使用する。 来年度開催される国際学会ICD2016(開催地:スペイン)にて発表を行いたいため、演題登録費用および発表のための英訳費などに使用する予定である。また、これ以外にも成果発表として論文投稿のための費用に使用する。
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