2015 Fiscal Year Annual Research Report
介護従事者の心身の健康増進に及ぼすストレッチ運動の効果
Project/Area Number |
25350877
|
Research Institution | Physical Fitness Research Institute, Meiji Yasuda Life Foundation of Health and Welfare |
Principal Investigator |
永松 俊哉 公益財団法人明治安田厚生事業団体力医学研究所, その他部局等, 研究員 (60450748)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 介護 / ストレス / ストレッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】介護従事者の心身の健康増進を狙いとして、介護作業にて負担が生じやすい腰部・背部の愁訴を軽減するストレッチ運動プログラムを考案し、その効果検証を行うことを目的とした。まず腰背部にハリやコリを有する女性勤労者を対象に本プログラムの一過性実施効果を確認し、続いて本プログラムの継続的な実施が介護従事者の心身の健康増進に及ぼす影響について無作為化比較試験にて検討した。 【方法】女性勤労者16名を対象にクロスオーバー形式にて運動プログラムの一過性の効果の検討を行った後、老人ホームに勤務する介護職従事者40名を対象とした無作為化比較試験による介入研究を実施した。介入期間は4週間とし、ストレス反応、メンタルヘルス、睡眠状況、腰痛の状況、体力等の変化を調査測定した。介入効果については男女別に解析した。 【結果】本プログラムの一過性の効果として、気分の改善およびストレス反応の低減を認めた。また、4週間の介入効果としては、女性は長座体前屈および唾液中コルチゾールで運動介入と時間経過の有意な交互作用を認めた。長座体前屈はコントロール群では数値が低下したのに対して介入群では上昇した。コルチゾールはコントロール群で介入期間終了後に値が増加したのに対して介入群は漸減した。男性はいずれの項目についても運動介入と時間経過の交互作用の有意性を認めなかった。 【考察】本プログラムは女性の介護従事者の柔軟性の改善および唾液コルチゾールの低減をもたらし、延いては心身のストレス緩和に寄与する可能性が示唆された。一方、男性に関しては、本プログラムの介入効果はいずれの項目においても確認されなかったが、サンプルサイズが十分ではなかったことが一因と思われる。これらの点については今後の検討課題としたい。
|
Research Products
(4 results)